コロナが世間にまんえんしはじめた2020年夏に二人の日本舞踊の批評家が旅立った。石川は檜健次に洋舞を学んだこともあったが、日本舞踊の批評家になる(檜のパートナーは藤間喜与恵である。)賀来良江やケイ・タケイ、石川須妹子らとすれ違っていたため、洋…
「牧阿佐美 お別れの会」(2022年9月6日、新国立劇場 中劇場) 牧阿佐美先生のお別れの会が行われた。世話人は牧阿佐見バレヱ団と新国立劇場運営財団、喪主は三谷恭三だ。コロナ禍の最中、バレエ界の関係者が多く集い、中には現代舞踊やフラメンコの長老たちの…
デンマーク出身のジェスパー・ジャストの初個展が六本木で行われた。メディア・インスタレーションとバレエダンサーの身体にセンサーをつけ刺激を与えるこてから痙攣させる事を交え新しい表現を模索するプロジェクトの記録が展示された。前者は演じ手の動画…
石原慎太郎が亡くなった。この人は650 Dance Experienceの会の関係者だったことから、舞踏やダンスと接点があった。若松美黄は石原が「太陽の季節」で障子を破るシーンについて良く語っていた。この時代は三島由紀夫や川端康成、谷崎潤一郎といった大御所は…
「大西茅布展 How Was Chifu Made ?」 2021年岡本太郎賞を受賞した大西茅布の東京初となる個展が開催された。大西は子どもの時からホラー映画をふんだんにみたり、かなり特殊な育ち方をしたと報道されている。グロテスクの背景にあるものを考察し表現にする…
谷桃子バレエ団本公演 TMB Company Creation「ALIVE」 コロナ禍の最中、バレエとは何か、コンセプトを練り人間の普遍的な感情に焦点を絞ることで生まれた公演が行われた。バレエ界では1つのトライアルといえるかもしれない。 「Lightwarrior」(振付:日原 …
池宮中夫は3331 Art Chiyodaにてコラボレーション・パフォーマンスを2021年8月28日に行った。村山修二郎によるインスタレーション「動く土 動く動物」として木の葉による巨大な輪や砂の庭が広がっている。池宮は植物による仮面、緑の衣裳と異界の民のような…
「CORPUS」編集委員でご一緒した国貞陽一さんが亡くなった。スキンヘッドが似合うコンテンポラリーダンス・舞踏の保守化に敏感だった人だった。 國貞陽一 舞踏&ダンス観察日記 https://nancle.exblog.jp/i00/ 「CORPUS」の1つ1つの評が2010年代の舞踊と新…
Noism「春の祭典」 オリンピック開会式とデモで揺れる東京で金森穣版「春の祭典」が初演された。サナトリウムの様な空間に椅子が一列に並べられている。アルトー=カントールに通じるような20世紀現代劇的な演出だ。重々しい雰囲気のダンサーたちが現れると…
日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」は2日目をみた。今年のダヴィッド・リシーンの「卒業舞踏会」は録音音源を用いている。演出に工夫を凝らし、細かなドラマを多く盛り込むことでしっかりとした上演を導いていた。下級生を描いた斉藤耀・佐藤祐基、水友…
追悼・長谷川六 山野博大がコロナ禍の2月に他界した翌月に長谷川六が3月ひっそりと旅立った。 長谷川は高等師範(現・筑波大学)の先生で警察も指導していたという剣道家の家に生まれた。本人も剣道はたしなんだことがあるというが、芸術の道を選ぶ。女子美…
山野博大氏がコロナ禍の最中の2021年2月5日に84歳で急逝した。 年代が近い舞踊人には、若松美黄、長谷川六らがいる。 慶應義塾大学出身ということもあり、“住んでいた千葉の市川に山野町という町がある”という風評がまことしやかに語られてきたがそれは全く…
薄井憲二先生のお別れの会(芝パークホテル・ローズ) 薄井憲二先生のお別れの会が先生が良く宿泊されていた芝パークホテルで行われた。バレエ界を中心に国会議員・舞踊団体の幹部など関係者が多く集まった。日本社会で良く知られているダンサーでは黒くシッ…
東京シティ・バレエ団「シティ・バレエ・サロン Vol.6」 今回の本企画では女性振付家が活躍をみせていた。会場となった豊洲シビックセンターホールは演出によってはパネルを外すことで劇場の中からレインボーブリッジを遠望できる演出を楽しむことが出来る会…
現代舞踊協会・選抜新人舞踊公演・初日 ソロは伊藤有美の「きらきら星変奏曲」(モーツァルト)の面白さを捉えユーモラスに演じた『戯れ』と白い花園と空間を象徴的な演出を通じて活かした小室眞由子『儚き香り』が白眉だ。ドラマと構成が映える片山葉子『偽…
田中奈美「彼方-beyond」 病室に赤毛の女が寝ている。映像が流れ珍しい症例として目覚めない女であることが医者と"美少年"(月読彦)のやりとりから告げられる。眠れる美女の脳内イメージの世界が広がる。病室とダンスという近代の寓話とさせるテーマでもあ…
小林紀子バレエシアター「マクミラン没後25周年記念公演」 注目をされたマクミラン「春の祭典」(日本初演)は黒い衣裳の踊り手たちが舞台いっぱいに広がる。シンプルで意外だが素晴らしいダンス表現であり、しっくりくる内容だ。マクミランの興味深い横顔と…
サーカスのスペクタクル性、現代社会を穿ってみる視点に注目が集まりリバイバルな昨今だ。作家カフカの世界には「サーカス」が登場する。及川廣信はそこに着目した新作を発表した。一座の進行役はカフカの生涯や作品に登場する場面を寓意(アレゴリー)のよ…
スターダンサーズ・バレエ団「Summer Mixed Program」 バランスのとれたプログラムによる優れたバレエ公演が行われた。ビントレーの「Flowers of Forest」ではスコットランドの歴史や自然が描かれた名作の日本初演。吉田都とフェデリコ・ボネッリも出演した…
正朔・長岡ゆり「越境」 慶應大学・三田キャンパスのイサム・ノグチによるノグチルームでの舞踏パフォーマンス企画。ノグチのインターナショナルなテイストとパフォーマーのフィーリングがフィットしコントラバスの響きの木霊する空間の中で行なわれた優れた…
NBAバレエ団「真夏の夜の夢」 米国バレエにフォーカスをした渋めのプログラム。チューダー『葉は色褪せて』では柳澤綾乃、関口祐美、竹田仁美が活躍をみせた。ウィードルン版『真夏の夜の夢』は坂本絵利奈・三船元雄が見事。ドラマティックな版だが舞台美術…
新感覚ダンス劇!「何をするにも最高の天気第二弾〜Never be defeated〜負けず嫌いなオトナ達」出演:( SALAH、KITE(カイト)、池田美佳、FUKO、金田あゆ子・多和田秀弥ほか)で池田はコンテンポラリーの枠に収まることなく、新ジャンルを模索する。バレエ…
【Twitterより短評】新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」は演出・踊り、スケールを楽しめるイーリング版。池田理沙子はローズ・アダージョ、ベテラン奥村康祐との3幕PDDをチャーミングに決めた。注目の新星の一人だ。リラ・細田千晶、柴山紗帆・井澤駿との…
ニーナ・アナニアシヴィリが旭日中綬章を受賞しました。秋に富山で牧阿佐美バレヱ団「「飛鳥−ASUKA−」を踊るなどこれからも楽しみです。
【Twitterより短評】 谷桃子バレエ団特別公演は3回忌に行われた。谷・振の「ロマンティック組曲」は佐藤麻利香・斉藤拓等&「パ・ド・カトル」(日原永美子版)では佐々木和葉達が古典、「B-MOTION」(岩上純振)は今井智也・馳麻弥を軸に歌劇と師の横顔を描…
【Twitterより短評】柴田奈々子は今注目のダンサーの一人だ。バスタブNY「Bon Bon」(振:ハイジ)では鮮やかな感覚とワイルドな動きが融合。クラブな空気も伴う喜劇である。熊谷崇のまることまるお「Show Time」「La la la random」は江上真子も活躍のポッ…
千代田放送会館・ラウンジでは舞踊批評家協会賞の贈呈式が行われました。 関係者が集い2016年度の舞踊界を語り合いました。 関連記事: http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/482016.html http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_0…
【Twitterより短評】橘バレヱ学校の学校公演では卒業生の見澤奏海がフレッシュな演技を米倉大陽と披露。子どものバレエ名作集は見応えがある。濱田雄冴らゲスト男性陣が好調。予定上2部まで観た。ジュリアナ東京跡地に建つアーキタンツへ。青木尚哉の構成さ…
この世界で活躍をする才能も少なくないですが、コンテンポラリーダンスの深見章代はこの作品を振付けています。
アーキタンツといえばジュリアナ東京跡地のテナントということを思いだしてしまいます(笑) (参照:http://tamatch.com/140908juliana.html/)当然、その時代を生では知りません。 私の頃にはYellowが閉まって、Maniacloveとか恵比寿MilkとかになっていてS…