マクミラン没後25周年

小林紀子バレエシアター「マクミラン没後25周年記念公演」
注目をされたマクミラン春の祭典」(日本初演)は黒い衣裳の踊り手たちが舞台いっぱいに広がる。シンプルで意外だが素晴らしいダンス表現であり、しっくりくる内容だ。マクミランの興味深い横顔と振付家としてのスケール感を感じさせる。黒という混乱の時代を想わせる色調を用いたファシズム台頭前の世界、1920年代〜30年代良さを想わせる「LA FIN DU JOUR」(日の終わり:日本初演)では島添亮子・高橋怜子の演技が冴える。ピアノ・オーケストラを通じて紹介し時代に迫った。アシュトン「バレエの情景」は稽古などのシーンも入る軽快な演目といえる。指揮はポール・ストバート、演奏は東京ニューフィルハーモニック管弦楽団。前者2作品は現代社会を意識した内容と考えることもできる。
(8月27日、新国立劇場オペラパレス)