2009-01-01から1年間の記事一覧

懐かしの仕事から

ナチスドイツにおける舞踊について2004年に書いた書評なのだが気がついたらスペインのバレエサイトで紹介されていた。 Lilian Karina and Marion Kant. Hitler's Dancers: German Modern Dance and the Third Reich. New York and Oxford: Berghahn Books, 2…

「近年のフラメンコ」

「近年のフラメンコ」 吉田悠樹彦 二〇〇九年は戦後のフラメンコをリードしてきた才能たちがそれぞれ集大成のような公演を行った年だった。その一方でシーンを担う中堅作家たちも大きく活動をはじめている年といえる。 小松原庸子スペイン舞踊団四十周年記念…

「二〇〇九年のバレエ」

「二〇〇九年のバレエ」 吉田悠樹彦 二〇〇九年のバレエは不況の中とはいえ多くの公演が行われた。新しい時代の潮流を見据えることが求められてきている。 平成二〇年度新国立劇場地域招聘公演 法村友井バレエ団「アンナ・カレーニナ」 「アンナ・カレーニナ」…

粟田麗

今日は井上恵美子ダンスカンパニーに顔を出す。作品「Shadow」で踊るイメージチェンジをした(様に感じた)粟田麗の充実した踊りが充実していた。ムーブメントはコンテンポラリーなので構成をさらに綿密に計算すると良いといえる。ライブ感溢れるステージだ…

今年もそろそろ年の瀬です

今年のくるみ割りのラストは小林紀子バレエ・シアターとなった。ワイノーネン版を島添亮子&ロバート・デューズリーでみることができた。雪の女王はフレッシュでチャーミングな萱嶋みゆき、雪の王はキミホ・ハルバートや西田佑子と踊ることも多い横関雄一郎…

山田奈々子

今年のクリスマスは山田奈々子モダンダンスリサイタルだ。私は光栄なことにチラシに評の一部を載せていただいた。山田の独特なパッション溢れるステージと舞台にはファンが多くいうまでもなく私もその一人である。今回は2006年初演の「あなたは誰」と2008年…

今年は新国立

この仕事をしているとクリスマス・イブとクリスマスに見る「くるみ割り人形」というのは気になるところです。今年はクリスマスは現代舞踊のいい舞台があるためクリスマス・イブをどうしようかと考えたのですが、新国立劇場バレエ団に足を運びました。 クリス…

從Noism看到日本民族品味的現代芭蕾

私の公演評が翻訳されて出ました。よろしくお願いいたします。中国語ですが、台北公演時の写真と私のテクストのリードのパートを読むことが出来ます。文字 吉田悠樹彥 從Noism看到日本民族品味的現代芭蕾 http://mib.moker.com.tw/main/article.php?id=00007…

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン

この日はシルヴィ・ギエム&アクラム・カーンによる「聖なる怪物たち」を見に東京文化会館に行きました。カーンの作品は私は個人的にはものによって評価が分かれるのですが、彼の舞踊論は読んでいて面白いです。Lin Hwai-min(http://d.hatena.ne.jp/yukihiko…

芸術祭結果

今年の芸術祭の結果が発表になったようです。洋舞は優秀賞がフラメンコの森田志保、そしてバレエの貞松・浜田バレエ団、新人賞は地主薫バレエ団の金子扶生といった結果です。邦舞に目を移すと琉球舞踊の真木の会に対する評価が嬉しいところです。http://www.…

雑感

先週から仕事で慌しくしていましたが、とうに世間はくるみ割りのシーズンに突入している状態です。 秋田のコンクールの結果をみました。スコアをみていて順当というかほぼ正しい結果だと思います。1位の林芳美さんはジュニアからシニアに出てきたときから時…

Open Meeting Ukiyo Lab

12月9日にはUkiyoプロジェクトで次のようなカンファレンス・オープンミーティングを行いました。私はこの企画とコーディネートを行いました。当日会場では司会を行いました。 (C)Ukiyo Lab 実は初めて国際会議のコーディネート、プログラム作成を体験したの…

「医学と芸術」展

森美術館で開催されている「医学と芸術」展に行く。ヤン・ファーブルによる脳みそのオブジェ、ステラークの有名な”第3の腕”、Eduardo Kacによる遺伝子操作をされて発光できるようになったうさぎの記録などが展示されていた。

UkiyoLab

Ukiyoプロジェクトでは次にあるように東京でワークショップを行いました。私はワークショップのコーディネートを行いました。12月3日から13日までその作業を行っていました。このワークショップはJohannes Birringer先生の初来日にあたります。 (C) Ukiyo La…

事業仕分け

今年の政権交代に続き、事業仕分けが舞踊界でも話題になる昨今です。オンラインで閲覧できる代表的なドキュメントをいくつかリストを作ってリンクしておきましょう。文化政策・経営学でも活躍をされている舞踊批評家のうらわまこと先生はこのような記事をア…

Rousse★Nov★2009

モダン・コンテンポラリーの新鋭・新人アーティストによるダンス・コンテンツの可能性(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20091003)、芸術や科学の隣接諸領域を見据えたその活動の脱領域化(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20070520)は大変…

佐藤小夜子、菊地敦子

コレオグラファーズYダンスコンサート Vol.3 コレオグラファーズYダンスコンサートは第三回目を数える。首都圏のみならず様々な地域から参加者が増えてきた。印象に残った作品をまとめておこう。佐藤小夜子「Polka」は優れた作品だ。赤いチュチュにスーツ姿…

『Corpus』7号 特集:舞踊と美術

COPRUSの新刊が今月頭に発売になりました。今回は日本舞踊の新舞踊運動の古典名作に関する「二世花柳壽輔と初代花柳寿美」、モダン・コンテンポラリーの新鋭作家である内田香とRoussewaltzについてまとめた「近年の内田香」,昨年度のバレエをダイジェストで…

第24回国民文化祭・しずおか2009

第24回国民文化祭・しずおか2009 「モダンダンスの祭典」静岡で国民文化祭が開催された。このモダンダンスの祭典ではアジアや日本全国の現代舞踊の多様な作品を存分に楽しむことができた。 第一部は「この指とまれ 世界の子どもたち」というタイトルで様々な…

Noism, Taipei

スケジュールがかなり立て込んでいたのだが、この日の午前中になってやっとオフが取れる。午前中、故宮博物院に行くことができた。 午後からダンスをみることになる。時期的に台湾のコンテンポラリーダンスのパフォーマンスは限られていたこともあり外来を楽…

国際会議2日目

朝一で自分の研究発表。ヴァーチャルな環境ではなくライブで研究発表をしていることが今年6月の自分の体験と重なって興味深い。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/0621) 午後は関係者と会う。金森穣が丁度来台をしていることもあり、金森に関する話…

国際会議初日

今回参加したのはThe 20th Pan-Asian Congress of Sports & Physical Educationという国際学会だ。朝9時からカンファレンス開始で午後18時前までぶっ通しで研究発表を聞く。 レセプションが終わって部屋に戻ると中視新聞台というテレビでCloud Gateの「九歌…

台北へ

先日、私の新しい論文が出版されるということを書いたと思う。2006年に私は台湾舞踊学会が主催した”Dancing under the Rising Sun”(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20061210)でInvited Paper(招待発表)を持つことができた。その時の論考をさらに…

New Publication

月末に新しいPaperが出ます。私は舞踊と統制、舞踊と全体主義といったテーマについて論じてきたため、現代日本の舞踊批評家の中でも特異なポジションにあるとは思っています。もともと元舞踊家で映画監督のレニ・リーフェンシュタールについて論じ、その視覚…

第30回記念特別公演 選抜新人舞踊公演

現代舞踊協会主催 第30回記念特別公演 選抜新人舞踊公演 2010年代を目前に控えた今年は次世代の新人たちの登場を予期させる季節の変わり目でもある。 全体的に古典と現代の相互を感じさせた作品が多かった。伊藤由里「Rose〜血跡に咲く〜」は充実した表現力…

今月のダンサー:09年10月 皆川まゆむさん

モダン・コンテンポラリーの新世代ダンサーの中で次代を担うことになりそうな優れた才能が何人も台頭してきている。この所大きく活躍を見せ私が注目をしているのは皆川まゆむだ。 写真:大洞博靖 DDD専属ダンサーとしても活動をしたり、リーボックのグローバ…

新人達の活躍

アルス・エレクトロニカ*1的に書くとCloud Intelligence(http://cloud.aec.at/)なんて事がいわれるこの頃だが、モダン・コンテンポラリーの新人たちも各種メディアや情報基盤を駆使して健闘している。 もともとコンテンツとしてのダンス(http://d.hatena.…

今月のアーティスト:Ballet Pixelle

より高度な情報インフラが日本でも社会に浸透してきてる。いわゆる情報端末はテクストとウィンドウの2次元だが、3次元ネットワークを利用したダンス・コンテンツに関する実験も世界的に進んできており、私もいくつかこれまで関わってきた。(http://d.hatena…

Tank Man Tango / Deborah Kelly

Global Dance Contest 2009の参加作品の中で私が紹介したいのはオーストラリアのアーティスト・プロデューサーのDeborah Kellyによる「Tank Man Tango」です。*1Kellyはwww.boat-people.org*2といった仕事でも知られています。 「Tank Man Tango」は天安門事…

Global Dance Contest 2009

イギリスのサドラーズウェルズ劇場がGlobal Dance Contest 2009というコンテストをすすめています。オンラインで世界各国の現代ダンスを楽しむことができ、投票できるという企画です。入賞者は2010年のシーズンに作品を上演できるということ。世界のシーンの…