今年は新国立
この仕事をしているとクリスマス・イブとクリスマスに見る「くるみ割り人形」というのは気になるところです。今年はクリスマスは現代舞踊のいい舞台があるためクリスマス・イブをどうしようかと考えたのですが、新国立劇場バレエ団に足を運びました。
クリスマスシーズンを飾る「くるみ割り人形」が日本で初演されたのは1953年の夏の盛り、貝谷バレエ団15周年記念公演でのことでした。この53年という年にはオリガ・サファイアが引退をしています。それ以前は現代舞踊で石井漠がこの作品を現代舞踊に翻案した作品を上演していました。さらにこのバレエの1シーンに基づく作品を東勇作が「六つの花」という題で発表していたりします。東は大正11年にアンナ・パヴロワが来日した時に上演された同じタイトルの「くるみ割り人形」の一部に基づく作品を小学生の時にみて「瀕死の白鳥」と共に印象に残っていると回想もしています。この東勇作の「六つの花」という作品はしばらく前まで松山バレエ団で上演されていました。
ちなみに上演されることが多いワイノーネン版が日本に登場したのは1961年のこと、ボリショイ・バレエとチャイコフスキー記念東京バレエ学校による公演でメッセレルとワルラーモフのステージングで実現しました。
牧阿佐美バレエ団は1962年12月にこの作品を上演していますがこの作品が日本社会に根づくことになったのは音楽・バレエと様々な魅力を持ったこの作品が日本人に愛されてきたからでしょう。
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今年のクリスマスイブは金平糖の精が寺島ひろみ、クララがさいとう美帆、王子を貝川鐵夫、そして森田健太郎がドロッセルマイヤーというラインアップでした。葦の精には寺島まゆみも入っており楽しめる内容でした。それぞれが1人1人のバレリーナでありながら一体にもなれる寺島ツインズの魅力と新世代のダンサー達の魅力を楽しむことができました。
新国立劇場バレエ公演「くるみ割り人形」(新制作 全2幕)
金平糖の精:寺島ひろみ
クララ:さいとう美帆
王子;貝川鐵夫
ドロッセルマイヤー:森田健太郎
雪の女王:湯川麻美子
(新国立劇場オペラ劇場)