懐かしの仕事から

 ナチスドイツにおける舞踊について2004年に書いた書評なのだが気がついたらスペインのバレエサイトで紹介されていた。
Lilian Karina and Marion Kant. Hitler's Dancers: German Modern Dance and the Third Reich. New York and Oxford: Berghahn Books, 2003. x + 364 pp. $75.00 (cloth), ISBN 978-1-57181-300-8.
Reviewed by Yukihiko Yoshida

Yukihiko Yoshida,"Dance and Dance Research in the Third Reich"
http://www.danzaballet.com/modules.php?name=News&file=article&sid=2639
この本はいい本である。

 今を思えばこの時から続く形で2006年の仕事(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20091014)があり、2009年には日本を素材にした論考を(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20091016)昨年出版することができたように思う。
 
 全体主義芸術(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20091012)というのは私の一つのテーマなのだが、このジャンルで代表的な映画であるレニ・リーフェンシュタールの「民族の祭典」についてコンピュータを使って分析もしてみた。(http://www.intellectbooks.co.uk/journals/view-Article,id=7236/)スポーツ史やスポーツ社会学とも接点がある媒体にも論を発表している。ダンスのみならず体操にも言及をしている。

 通常、舞踊批評とは美しいバレエやダンスを見てあれこれ薀蓄を語るという印象がある。しかし私の場合は舞踊史家ともいえる横顔があるのだが、上の2009年の論文をまとめる上で自衛隊の戦史資料室に足を運んだり、たまたま公演取材で通りがかった横浜のベイエリアでカラーガードを見るなんていう体験もした。ちなみに下総マリンブルーというチームは現在は存在しないようだ。


*ファンサイトより引用

 台湾舞踊学会から招聘をされて"Dancing under the Rising Sun"という日本の占領統治下の舞踊を論じる世界でも珍しい初期の舞踊会議で仕事をした体験が背景にある。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20061210)現場主義ということから靖国参拝まで実際に体験してみた。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20080815
やがてフランスのBlogでも短く論文を紹介された。(http://acdanse2.blogspot.com/2009/11/publication_04.html

 Tank Man Tango( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090918 )に関心があるのもその辺りがある。この国の舞踊界の中でやや特殊な立ち位置にあるのは事実だ。