佐藤小夜子、菊地敦子

コレオグラファーズYダンスコンサート Vol.3
 コレオグラファーズYダンスコンサートは第三回目を数える。首都圏のみならず様々な地域から参加者が増えてきた。印象に残った作品をまとめておこう。佐藤小夜子「Polka」は優れた作品だ。赤いチュチュにスーツ姿の女性ダンサーたちに男性が一人混じる。冒頭、大きく動かず明るいタッチと抑制の効いた構成で盛り上げる。スカートに身を包んで丸くなったり、線上に動いたりする。コンテンポラリーダンスに通じる作風である。シーン中にごく短くダンスシーンやラストで女装した男性が男になるといったジェンダーの転換を織り込むだけなのだが、スーツやチュチュといった踊る前からある程度動きのイメージができてしまったり、肉体や動きの持ち味を時には消してしまうこともある難しい衣装を上手に使いこなしながら、上手にまとめてみせた。菊地敦子「密度と時間」はシャープなムーブメントと構成美を通じた情景展開に足元の移動する赤い空間という舞台美術を加えることで硬質な作品を作り上げてみせた。
 アンデパンダン的な企画だが会を重ねることで優れた才能を輩出する可能性もある。その一方でキュレーションやディレクションの方向性が問われるのも事実だ。これからが楽しみだ。
(11月21日 ムーブ町屋