Noism, Taipei

 スケジュールがかなり立て込んでいたのだが、この日の午前中になってやっとオフが取れる。午前中、故宮博物院に行くことができた。
 午後からダンスをみることになる。時期的に台湾のコンテンポラリーダンスのパフォーマンスは限られていたこともあり外来を楽しむことになる。
 午後の早い時間にArkadi Zaidesの「Emotion in Motion」をTaipei National University of Artsの劇場で見る。学校設立記念行事の一環でもあったようだ。GAGAテクニックのワークショップも時期を前後して行われているようだ。
 金森の初日が終わったこともあり関係者の評判をきくことができた。作品中でジェンダーを変化させていくことやムーブメントに好感をもてたという意見をきくことができた。最近台北で踊った梅田宏明と今回の金森が話題の中心をしめ、これからWSがある島崎徹にも関心があるようだった。さらに勅使川原に対する人気は根強いようだ。市内を移動し夕方は台北駅近くで関係者と食事。ばったりすれちがった某氏に驚かれる。

 夜はNoismの「Nina」を見ることが出来た。中国語で書くとこんな感じである。

 見ての通り”Nina(中国語)物語”になっている。現地のフライヤーはコッペリアのスワニルダみたいなチュチュをきたバレリーナが出ていてそこに”Nina 物語”とあり可愛らしい仕上がりになっている。

 これがチケット。

 客席は2階席3階席まで7-8割埋まっている。客層は関係者や若い世代といったところだ。2日目だが日本人関係者とは出会わなかった。(誰かとすれ違うであろうと思っていた・・・)この日はスタンディングオベーションはでていなかったが素晴らしい舞台をみせてくれたダンサー達に対する歓声が次々に上がり反響が良かった。それだけNoism Iによる舞台は非常に充実していた。男性陣も好評のようだが、女性ダンサーたちの人気が高い。特に井関佐和子が抜群の踊りをみせていた。ベトナム人の作曲家による音楽は東京の劇場で聴くよりトランスカルチャーな台北の劇場空間がフィットする。日本の現代ダンスを東京で見る意味と同じアジアで見る意味を考えさせられた。同時に日本のみならずアジアのバレエについても考えさせられた。何度か自分の原稿に書いてきているが、台湾は日本のバレエと接点がある地域でもある。
 劇場の売店で現地の雑誌を購入したらなんと私のことが記事中で紹介されていてびっくり。今日の今日まで知らなかったのだがとても嬉しかった。

 その後、市内をドライブ。巫雲(http://www.taipeinavi.com/food/589/)というレストラン&アートスペースで関係者と夜中まで盛り上がる。舞踏や60年代の日本のアヴァンガルドの話になる。Noismを見た観客も混じっており、関係者で卓をかこみ雲南料理と地元のビールを楽しみながらいろいろ話をする。そして夜も遅くなったということで帰路へ。
 台北は土曜日ということも会って夜中も列車やバスが走っていて人々が行き交いしている。終電とかであくせくしている東京と比べると対照的である。真夜中の台北を移動中にMRT(電車)の中で現地の某有名批評家と偶然出会い紹介されるという貴重な体験をする。車やMRT、そしてタクシーを乗りついでホテルへ戻ってきたら夜中の24時をとうに過ぎていた。窓の外に台北101の姿を見ながら一服する。

 

 翌朝帰国する。