日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2日目

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」は2日目をみた。今年のダヴィッド・リシーンの「卒業舞踏会」は録音音源を用いている。演出に工夫を凝らし、細かなドラマを多く盛り込むことでしっかりとした上演を導いていた。下級生を描いた斉藤耀・佐藤祐基、水友香里・守屋高生、鼓手の牧村直紀らがしっかりと盛り上げた。今年のフェッテ競争は巧みな荒木彩とフレッシュな藤野未来だが1つの見どころといえる。
 井澤諒が振付・指導をした「パキータ」は渡辺恭子や横澤真悠子、百田朱里を楽しむことが出来た。玄玲菜「La forêt」は名曲と共に象徴主義的な作風を楽しむことができるスペクタクルだ。ラ・フィーユ(林田まりや)とラ・メール(竹中優花)を軸に関西の踊り手たちが情景を彩った。
 コロナ禍の最中とは言え全国のバレエ界の動向を感じ取ることが出来る内容だった。苦難の中でもバレエ芸術を続けていくことは重要だ。
(8月8日、新国立劇場・オペラパレス)