今月のダンサー:06年2月 山田茂樹さん

写真:大洞 博靖

今月のダンサー:06年2月 山田茂樹さん

今一番の男性ダンサーと来れば山田茂樹さん。メジャーからアンダーグラウンドまで幅広く見ていく中でメロウな空気と肉体美で見せてくれるその存在は随分前から気になっていた。
駄目もとでアポイントメントを入れてみたところ、幸運なことにお返事をいただいた次第だ。特に女性ファンは要チェックかも。




Q. ここ1年ほど様々な舞台や若手ダンサー同志が仲間と盛り上がって見に行くような 舞台(306のような作品)の中で、男性ダンサーの中で特に甘い空気としなやかな肉体で魅せているように感じます。例えば武元さんのスタパフォから未國、306まで幅の広い活動をなさっていますが、現 在の活動とこれからやってみたい活動についてお教えください。

A. 最近は暇なのでよく一人で踊ったり瞑想したりしてます。二月にはダンスビーナス、三月には306のスフィアメックスでの公演、四月にはカイムという男性カンパニーの公演、をやる予定です。今年はソロ作品なども発表していきたいと考えています。
それからこれは僕がもっともっと成長してからの夢ですが、一人の舞踊家として何らかの教育機関にたずさわり、自由に体を動かし表現する事を通して自分らしさみたいなものを発見できる手助けができるような活動をしたいです。

Q. これまでどんなグループや作家で踊ってきたのでしょうか?

A. その質問にお答えするのはとても難しいですが要約してみます。まず僕が一番思いで深いグループはN.Y時代にやっていた(Rising.sun.crow)というストリートダンスのグループです。いろんなスタイルのストリートダンサーが集まっていて、僕はブレイクダンスばかりやっていました。次にとても勉強になったと感じているのは(FRIDAY)という六本木にあったショーパブ。ここには訳あって三年くらい働いていました。その後歌手のバックダンサーや、ミュージカルなどを経て、一緒に306を結成した辻本知彦と出会いコンテンポラリーダンスの世界に足を踏み入れ、武元賀寿子さんに出会いダンスビーナスに参加、島崎徹さんに出会い、 広島、名古屋などで作品に参加させてもらい…という感じで今日に至ります。ショーパブで踊っていたときには、まさか僕が吉田さんのような批評家の方にとりあげていただけるようなダンサーになるとは思ってもみませんでした(笑)。

Q. Youyaさんのように豊かな表情や肉体で見せながら自作を発表していくタイプの男性作家の活躍も印象的ですが、ご自身の作品を発表される予定はありますか?
A. あります!予定は未定ですがお楽しみに!

Q. 男性の若手作家は逆にアイデアや演出などに目が行くタイプも多いと思うのですが、舞 台で踊る上で何か大切にしていることがあれば伺ってみたいです。

A. 日々の訓練や、考えかたや、人とのかかわり方などが舞台にあがった時に表れる、と思うので舞台では普段より良くみせようとか悪あがきをせず自分を信じて、(今のその瞬間)に集中するよう心がけています。

プロフィール

少林寺拳法.体操.ブレイクダンス.ジャズ.バレエ.モダン.ヨガ.太極拳など、さまざまな種類のダンス、身体操縦法を学ぶ。3年間N.Y.に滞在。パフォーマンスグループ〔Rising.sun.crew〕を拠点に活躍。BRONX〔Point〕にてブレイキング.ソロ.バトルコンテスト優勝。帰国後は、SMAP、桑田佳佑などの全国ツアー。ミュージカル、〔Foot,Loose〕〔エリザベート〕など様々な舞台を経験。近年は活躍の場をコンテンポラリーダンスの世界へと広げ〔ピンクフロイドバレエ〕島崎徹作品〔オロリン〕などに出演。またシルクドソレイユダンサーにも登録されている。これまでに培った様々な身体操縦法を融合させ独自の身体表現を創作している。

写真:大洞 博靖