8月1日 新国立 アーツシャワー

<小劇場ロビー>
[ 出演]
新国立劇場オペラ研修生 /
TSMゴスペル /
コルドンブルー室内管弦楽団 /
津田塾大学アンサンブル・フィオリータ /
さとうみどり Dance Rivult・DEUX MAGOTS・AliAlice・岡庭加賀谷山田武元


新国立劇場の夏のアーツシャワーは意外な穴場である。実力派の作家が
出演をしている。今年は上の通りのメンバーだ。
さとうみどりは現代舞踊系の作家に出ている作家。今年の舞踊協会の
新鋭中堅公演と同じ作品。最後の名前の羅列されているユニットは
DanceVenusのメンバーと男性ダンサー達による作品だった。(昼の部と
夜の部で若干キャストが異なる)

矢作聡子「AliAlice」 出演者 亜瑠美えり・関根えりか・矢作聡子
(15:30所見)

ベテランダンサー3人が新国立劇場小ホールのロビーで踊る。小品であったが
スピード感が溢れ展開が早い。踊り手たちが情感豊かに踊ったと思えば、
つま先だって左右に動く。構成を大切にしながら3人の踊り手たちはロビー
を上手に活用する。
都会派の衣装を脱ぎ床の上に置いたかと思えば床に座り込みじっと空間を
凝視する。コンパクトだがベテラン3人のテンションが見事な空間を構成
していた。 
矢作が何度もテーマにしているAliceという言葉に対するこだわりは健在。


『 迷宮舞台 〜主人の不在ヨリ〜 』
(筆者は15:30からは全部見て夜の回は途中から見た)

キャスト:
岡庭秀之(天井桟敷研究生出身、多くの芝居/舞踊グループに関わる、'01『開座』旗揚げ)
加賀谷香
山田茂樹(島崎徹作品とか多く出演)
辻本知彦(金森クン所からこの日フリー第一日目、秋には上島雪夫作品出演)
原田拓巳(宇野manカンパニー出身、現在『開座』にて活動中)
金子飛鳥(バイオリニスト):昼のみ
ナオミ・ミリアン:夜のみ
*武元グループは昼間と夜の設定が異なる。

演劇的なモチーフをベースにした即興的な要素の強い作風である。武元の世界に個性豊かな男性ダンサー達が入ることで緊張感溢れる充実した世界が繰り広げられる。
男達はいずれも個性派そろい。山田茂樹と辻本和彦のエロスと笑いに溢れている世界がとても魅力的。舞台の上でズボンを脱ぐと水着姿となる。鍛えられた肉体達は暑さを忘れさせるような見事な踊りを見せていた。
一方、女性ダンサーの中ではショーガールのような加賀谷はベテランならではの的確な演技は見逃せない。加賀谷はトラッドなモダン的なタッチの作品から新国立で森山と踊った時のようなコンテンポラリーな持ち味まで幅広い世界を持った踊り手である。しかしこのような
ショー的なテイストはこのところなかったように思い新鮮だった。また夜の部ではキュートなナオミ・ミリアンの俳優のような表情に驚かされた。ミリアンは多くの作品では踊れるダンサーとして、ムーブメントがこれまで印象的だった。しかし笑いあふれる演技はこれまでにないもので驚かされた。
踊り手たちはロビーを彩ったあと、それぞれにホール前の水の中へと消えていく。
涼しげな夏らしいタッチは好意的に受け取ることが出来る。


その他

さとうみどりが健闘をみせていた。
2組目の男女のDUOもなかなか楽しいかった。グループ名が特定できなくて残念

オペラの研修生の作品も楽しいものでした。