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 新国立劇場ではDance Platformがはじまっています。今週末はBプログラムでバレエ系の才能たちを中心にしながら、ベテランと共に期待の新人の一人の山口華子がプログラムされています。特に楽しみなのは大岩淑子です。
 次の映像は私が3次元ネットワークをつかったダンスに関する実験に参加をした2007年のCYNETというフェスティバル(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090503)と同じフェスで大岩が踊っている映像です。

2000年代と一線を画する方向性を示していくことが重要です。コンテンポラリーダンスという概念が登場しだして20年以上たちました。本当にこの概念でいけたのは90年代から2000年代前半といった印象もあります。平山素子、能美健志、二見一幸といったアーティストに社会的に注目が集まったのも事実ですがそろそろ世代交代し、10年代の才能たちへバトンタッチをしていくことが求められます。同時に見落としてはいけないのは、2000年代にトレンドはどうあれ、仮にコンテンポラリーダンスという枠組みと距離が生まれることがあっても、コツコツと作品を作り続けたアーティストたちです。
 平山・能美の年代では創作や振付・構成の実力では矢作聡子や内田香といった実力者の能力は群を抜きます。トレンドであろうとなかろうと感覚のみならず実力を磨いてきたアーティストの技は魅力があります。プロデューサーの力が強かったシーンのなかでも絶え間なく修練を重ねてきた才能たちの実力は楽しみです。さらに海外での研修を経て帰国したアーティストの中に優れた可能性を秘めている才能たちもいます。菊地尚子や冴子はそれぞれNYCを経ていますが日本にいた時代からそれぞれ定評があり、才能を開花させつつあります。新世代と2000年代という時代の中でも研鑽を重ねてきた才能に注目をしたく思うこの頃です。