Steve Paxton’s Lecture

 すでにある所で書いたのだが、スティーヴ・パクストンのレクチャーが行われた。この日はパクストンによるアメリカ・ダンス史ともいうべき内容だった。今回はこのアーティストの久々の来日でもあり話題をまいている。60年代にマース・カニングハム舞踊団のメンバーとして来日したときに日本で合気道に出会い、それからダンサーを床に投げるときに合気道の受け身を使ったりするようになる。同時代のアーティストはカニングハム=ケージの鈴木大拙らの影響もある禅からの影響などに見ることができるように東洋思想や東洋の身体表現から影響を受けることが多かった。パクストン自身も70年代にコンタクト・インプロヴィゼーションを創出し現在に至る。
 欧米人のアーティストが日本をはじめ東洋に来ることで自身の表現や新しいダンスの着想を得ることができるが、パクストンもその一人だ。私もコンタクト・インプロヴィゼーションを体験したことがあるが、「動く禅」といわれることもあるダンステクニックである。その背後には東洋思想もある。そんなパクストンは有機農業を行いながら生活をしているそうだ。
 会場はダンサー、研究者、ダンスファンが集まり大きく盛り上がりを見せていた。

ティーヴ・パクストン
レクチャー・デモンストレーション+シンポジウム

“Material for the Spine”についてのパクストンのレクチャーとDVD映像を交えながら行うデモンストレーション。
早稲田大学国際会議場第2会議室)