Virtual Environment ( Second Life and Dance )

(C) Yukihiko YOSHIDA


dance-streaming.jp virtual environment

Press Release:

Dance-Streaming.JPは2005年度よりダンス・パフォーマンスの制作実験を国外の研究グループと共同で行っております。

今回はヴァーチャル・エンバイロメントのSecond Life内部でのパフォーマンス作品の制作を行います。Second Lifeはリンデンラボ社(社長 フィリップ・ローズデール)が運営しているヴァーチャル・リアリティのシミュレーション・ネットワークです。Second Lifeは近年大企業や研究機関が投資をして土地を購入しビジネスに活用するといった現象で注目を浴びています。また米国では政治家がこの空間の中に国会議事堂を構築することで政治的パフォーマンスにも活用しようとしています。SF作家のニール・ステファンソンが発表したSF小説スノウ・クラッシュ」には仮想空間内のルールがオープンソース化されており、自ら創造したり変更したりする空間としてメタバース(Metaverse)という概念が登場します。Second Lifeはこのメタバースを実装した代表的な例として言われることもあります。現在、ネットワークで作業をするプログラマーやライター・編集者は、リアルタイムでSkypeWindows Live Messengerといった基本ツールを通じて音声やテクストデータを用いたコミニュケーションから遠隔地にいるもの同志がヴァーチャル・オーガニゼーションのように作業を行うことが多いです。従ってこのような3Dのツールもやがては時間の問題で基本ソフトとして取り扱われ、我々の日常生活の一部のようになるでしょう。
このSecond Life内部では、ダンスパーティーが定期的に行われたり、アバター同志によってSecond Life Balletというカンパニーが組まれメタバース上でダンス作品が作られるなど、ダンスやパフォーマンスも多く行われ、アバターを通じた独自な表現活動が展開されています。近未来にはNintendoDSのような画像処理能力が高い携帯端末がネットワーク化され屋外で利用されることになるでしょう。
ヴァーチャル・エンバイロメントはダンスやパフォーマンスに関する様々なコンテンツのデモンストレーションの場所としても利用でき、近現代の文化財のデータの公開もされています。海外の国際会議と日本を結んでセッションも行います。その成果物の一部はすでに書籍に収録されています。

(C) Yukihiko Yoshida

関連ページ:
★すでにSecond Lifeを知っている人は→
Second Life上の場所:http://slurl.com/secondlife/nikkeibp/158/24/51 
★まだSecond Lifeを体験したことがない人は→
プロジェクト自体に関係するリンクなどが含まれているページ: http://www.dance-streaming.jp/sl.html
■関連企画上のページ→
Dance Performance in Second Life: http://mapping.jp/archi/2007/10/dance_performance_in_second_li.html

メタバース上で展示中の作品:その1

動画映像:

(C) Hid Voom

無重力、ヴァーチャル、スペース ”Like a Second Life”−SecondLife初のダンス・パフォーマンス批評」
by 吉田悠樹

 Rubyの新作は日本発のSecondLife上でのパフォーマンスだ。RubyはFirstLife上でもダンサー・振付家として活躍している。今回はSL上で作品を発表した。この作品では全く重力を感じさせないように中央の透明なディスプレイの上でRubyの動きを楽しむことが出来る。Metaverseの中のダンス表現はFirstLifeと異なるスペースの広がりとFirstLifeの上ではダンサーの動きを拘束する重力の無さ、いわば無重力に近い感覚、を感じることができる。その感覚は我々がアバターを「飛行」などの動作で自由に動かすときの感覚にも通じるはずだ。新しいタイプのダンス・パフォーマンスとインスタレーションを楽しむ事ができる。劇場空間の観客対作家という制約にしばられることもない。現代美術の映像作家、永島京子は手で携帯できるような小さな映像作品をつくったりするが、ダンス・パフォーマンスもメディアデバイスに格納して携帯をして持ち歩くこの21世紀初頭の現代なのだ。
 メディア・アーティストのジェフリー・ショーは若き日にロックバンドのジェネシスのコンサートサポートをしていた。その時にパフォーマンスの構造に関心を持ち、調査・研究グループを率いてアムステルダムでエクスペリメンタルなパフォーマンス活動を実践している。そして彼はメディア・アートにいきついた。ショーのメディアアート作品たちから20年強−インタラクティブな空間性はついにデスクトップに舞い降りた。
 ”Like a Second Life”、マドンナの大ヒット曲をパロディにしたようなタイトルの作品と共に、Second Life DIVAことRubyの活動が始まろうとしている!