Perfume

 Perfumeの新作のトレーラーをみていると解るのが、すっかり3Dネットワークを意識した作りになっているということです。いわゆる映像を編集してつくったPVというよりは、電子メディア上で3Dソフトや3Dネットワーク環境を使ってアプリケーションのView Pointを切り替えながら編集しているように見えもするPVのように仕上がっています。もちろんこういった映像を編集する作業をするアーティストたちがそういったアプリを使いながら仕事をしているというのがあるでしょう。世間的には「万年筆に原稿用紙」といったアナログなイメージがどうしてもある舞踊批評家の私でも2008年前後からSecond Lifeなど3Dネットワークを作業環境で標準装備にして活動をしてきているぐらいですから。


*オフィシャルチャンネルより引用

 3Dネットワークについては私はすでに実践的に活動をしてきました。( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20100313

昨年はポルトガルニュージーランドの研究者たちとアメリカの舞踊関係の学会で極めての初期のダンスに関するRoundtableを3Dネットワークの上で行いました。( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090621 )昨年12月には3Dダンスコンテンツに関する試みを含む先端的なカンファレンスをコーディネートしました。




(C)Yukihiko Yoshida


 コンサートの演出や観客とのインタラクションの仕方もこういった手法をライブアーツに活かしています。もともといわゆるメディア・アーティストが、こういった予算がいっぱいあるエンターテイメント系の現場で多くの技術を実戦投入をしていて、そこで得た経験や収益をアートの側に還元しているような構造があるにはあるのですが、現代の演出の先端は興味深いものです。
 もちろん、こういったメディア・イベントを使った観客動員はレニ・リーフェンシュタールについて論じてきた私にとってはこれまで取り組んできたテーマともいえます。( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090217


*オフィシャルチャンネルより引用

 次の国際会議での実験をしたのは2007年なので(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090503)この手の試みがいわゆるエンターテイメントや産業レベルで身近になってきたともいえ、同時に次世代ダンス・コンテンツを考える上で来るべきコンテンツ産業、コンテンツ・ビジネスの方向性を示唆しているようで興味深いです。