玉内集子

 午後、銀座界隈を移動中に時間が急遽あいたので、タイミング良しということでギャラリーを梯子する。美術館のキュレーターの中には月に200軒ギャラリーをチェックする人がいるというが、短時間で有名どころ、無名どころをまとめてまわる。
 本当は上野まで行って東京国立美術館の東洋館あたりで気休めをしたかったのだけど、浅草・上野までいっている時間はなかった。

 ホルヘ・バルド「Untitled/無題」(メゾンエルメス8Fフォーラム)はお勧めの空間。木製のクラフトを使った草原がギャラリーいっぱいに広がっている。そのところどころには紙製の箱が置かれており、それがプレゼントのように見えたり街並みのようにも見えたりする。このライトでソフトな質感は近年のインスタレーションやオブジェの中では異彩だ。蔡國強「時光−蔡國強と資生堂」(資生堂ギャラリー)では火薬ドローイングでつくられた金属板を楽しむ事が出来る。また今日にいたるまでの足取りをダイジェストで映像で見ることもできる。スペクタクルの演出に火薬が使われている映像は圧巻だ。と、超メジャーどころを押さえながら、一世を風靡して1サイクルを向かえ、再び新世代に向けて健闘している東京画廊で西澤千晴の個展もチェック。基礎をがっちりと押さえながらも若干クリエーター的な作風を持つ作家が絵本「ウォーリーを探せ」のような小人が多く出ている作品を展示している。ピアノにペインティングするという新境地を作家は迎えたようだ。あとは残り時間の赴くまま、かたっぱしから見て回る。「荒城の月」で知られる瀧廉太郎の自筆譜の展示を見ることができたのは幸運だった。もうなくなる歌舞伎座の外観を偲んだ後に、新橋演舞場界隈を散策し公演会場に向かう。以上1時間半強。
 昔、銀座のギャラリーでアルバイトをしていた時期があったこともあり思い出の椿屋珈琲店http://www.tsubakiya-coffee.com/などいろいろ懐かしかった。



玉内集子ダンス・ソロ 「Shin」

媒体にてレビュー

(神楽坂 die Pratze http://maps.live.com/default.aspx?v=2&cp=35.705898~139.737886&style=a&lvl=18&tilt=-90&dir=0&alt=-1000&encType=1