Dance Selection

「ダンスセレクション」

「つきわ Gold Moon」:黒沢美香/Marga
「RONDO」:北村明子/Group Motion Dance Company
「GEEEEEK」:東野祥子/BABY-Q
「緑の愛情」:辻本知彦(ソロ)

媒体にてレビュー

会場:シアタートラム



振付とロマンティシズム

一昨日、トーキングヘッズから出た評の中に、高橋彪の評が入っているのだけども、彼の「十秒間のアラベスクに奇蹟をかけた」というアフォリズムが、この半年ほど私の頭に焼き付いている。ある種、暗黒舞踏土方巽笠井叡の言説にも通じるのだが、近年の振付家で、これぐらい強いロマンティシズム、あるいはダンディズムを持っている作家は少ないだろう。
 内野儀イマージュオペラ脇川海里を「ネオ・アングラ」と評したが、脇川の言説が注目を受ける理由は、作家の持っているロマンティシズムが背景にあるのではないか。あと、私は大橋可也の作品にも似たようなロマンティシズムを感じる。ただ、彼らが戦後の作家と同じようなベクトルで動いているかというとまた違うような気がする。オールドファッションなのかもしれないが、振付家にはボードレールブランメルのような薫るような一匹狼のロマンとダンディズムが欲しいこの頃だ。