10年代のダンス:台湾(1)

 最近ではCloud Gate 2 と活動をすることが多い台湾の新人作家、Huang Yiの「SPIN」もメディアを使っているという面でも興味深い作品です。まだ20代の盛りのアジアの新世代といえるような才能の一人です。詳しくは近いうちにでる某論考をみてみてください。


作品そのものは次のコンセプトビデオの方が楽しめます。前半5分の3ぐらいは投射されている作品映像の一部が続きますが、後半で作品全体を楽しむことができます。
Concept Video(2009)


*公式チャンネルより引用

 この作品も厳密に言うと2010年に初演された作品とはいえないのですが、昨年12月に行われた文化庁からの助成を得ることで実現できた時代を先読みするような公演と同じように、アジアの新世代の空気を感じさせてくれます。また興味深いことは、この作品のメイキングがすでにドキュメンタリーとしてアップされているということです。どんなアーティストが作品に関わって仕事をしているか、どんな機材や環境を使っているかといったことまで多くの情報を得ることができます。新世代のダンサー・振付家のヒントになればと思います。

 こういったアーティストと同じ土壌で、矢作聡子や内田香、冴子やアジアの現代作家たちとHomeless Dance Companyで活動をしている池田素子といったアーティストたちはいい仕事をしてきているということも見逃すことができません。こと、コンテ・モダンに関して言うならば、平山素子や内田と一線を画する新世代のアーティストを送りだす事がこれから先の10年の課題となります。男性のアーティストも優れた才能が出てきて欲しいものです。ここ20年近く語られてきたコンテンポラリーダンスという枠組みもそろそろ最後のフェーズに入るとも想定できるので、ここ10年前後のダンスに対する枠組み捉われすぎることなく柔軟に古典と現代を学びながら現代表現を打ちだしていく、コンテンポラリーダンスという枠組みを脱して次世代の表現を模索することが課題になると思われます。新世代のこれからが楽しみです。

"SPIN" by Huang Yi
創作過程なども楽しめます。

*公式チャンネルより引用

関連記事:
Critical Dance;Spin 2010 Experimental Theatre, National Theater, Taipei; February 25, 2010
http://www.ballet-dance.com/forum/viewtopic.php?f=5&t=33999&sid=334926908fd62c1a22c622b5fba4509c

メイキングがドキュメンタリーになっています。クレーンをつかったりしている様子がわかります。

Making:Documentary 1

*公式チャンネルより引用

Making:Documentary 2

*公式チャンネルより引用

Cloud Gate2のための作品に関する最新インタビューです。中国語ですが雰囲気が解ると思います。

Interview (Chinese):

*公式チャンネルより引用