日本のバレエ振付家も

 国外ではここ1−2年、デジタル・コミュティ・サービスを利用したダンス映像配信が一気に進んできていますが、日本のバレエ振付家も映像を配信しだしました。

 戦後第一世代にあたる高橋彪・横井茂といった振付家・舞踊作家、そしてそれに続く世代の佐多達枝の作品が話題になる昨今ですが、新鋭作家達も国内外でアグレッシブに活動を始めているようです。下に上げるのは佐多の試みです。


O.F.C. 合唱舞踊劇公式チャンネルより

 ニネット・ド・ヴァロアとアーノルド・ハスケルが英国バレエの発展の源となったことと対比しながら山野博大が指摘するように戦後日本のバレエは小牧正英と蘆原英了による第一次東京バレエ団の試みから始まったとすれば、「戦後」「日本」の「バレエ」はどのようなものを築き上げたのでしょうか。
 どうしても外来のバレエに目が行きがちですが、バレエ・リュスやロマンティック・バレエの時代をその時代にその地域で活動をした舞踊批評家たちが書いてきているのであれば、日本のバレエ、バレエ文化を論じることは極めて重要です。
 戦後という時代の中で活躍をしてきた舞踊批評家たちはこの国のバレエを深く論じてきました。若き日は松尾明美先生とともに踊りバレエ批評家、経営・文化経済学者として活躍をするうらわまこと、バレエと現代舞踊をともに論じる山野博大は慶應バレエ研究会、20世紀舞踊の会とポストモダンダンスや舞踏といったその時代の現代表現と深い接点がありながら同時にバレエで大きく活躍をしてきた批評家たちです。
 その発展を示すようにBalletomaneはこの国にも増えました。その評価と将来が気になるこの頃です。