Sang Jijia and Sheu Fang-Yi

 今回はまだ実際には未見なのですがSang JijiaとSheu Fang-Yiという二人のアーティストについて紹介をしようと思います。

Sang Jijiaというダンサーがいます。チベット出身でプロとしてトレーニングをされかつ踊れる最初の現代舞踊家です。中国で最初の舞踊団のGuangdong Modern Dance Companyで活躍した後、香港の舞踊団に行きました。今日ではウィリアム・フォーサイスなどトップクラスのアーティストとコラボレーションをしています。


CCDC公式Channelより*1

 最近ではクラウドゲートを経てマーサ・グラハム舞踊団でプリンシパルとして活躍をしているSheu Fang-Yiとも活動をしています。

「Snow/Duet」
http://www.sadlerswells.com/standalonevideo.php?video=/assets/videos/sang_VP6_512K_Stream&show=1221&dp=1&show=1221&more=1
サドラーズウェルズHPより

 こういう作品を見ると日本のモダン・コンテンポラリーも頑張って欲しいなと思います。

 さてSheu Fang-Yiの映像も紹介しましょう。まずはダンスフェスティバルで踊るような現代作品からどうぞ。

「Song V」はBulareyaung Pagarlavaの振付。この二人の組み合わせは「Single Room」という作品でも好評を得ました。


VailValleyFoundationのChannel*2より

マーサ・グラハム舞踊団関係の映像もオンラインに上がっています。


VailValleyFoundationのChannelより

名作「Clytemnestra」の映像です。現・グラハム舞踊団プリンシパルの折原美樹さんも日本のワークショップで紹介する作品です。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090528


マーサ・グラハム舞踊団公式Channelより*3

 日本の現代舞踊の歴史は長く戦前に遡り、アジアにも深い影響を与えてきました。戦後を代表するアジアの現代舞踊のトップクラスの才能の一人はクラウドゲートのLin Hwai-minでしょう。

 振り返って、日本の現代舞踊をみてみると、2000年代は平山素子や能美健志、二見一幸といったバレエとの接点を感じさせる現代舞踊が日本ではどうしても強かったのは事実です。2000年代スタイルといっていいような1つの傾向でしょう。またそれは濃密にその一時代の日本人らしい思考と指向を感じさせもします。今日の若者や新鋭作家たちは平山や内田香らが作ってきた世界をどのように乗り越えていくかということが課題になると思うのですが、自信を持って新しいものに挑戦して欲しく思っています。このSang JijiaやSheu Fang-Yiのような優れた才能が出てきて欲しいと思っています。