705 Moving Co.

 今日は菊地尚子(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20070511)のカンパニー705Moving Co.の最初のリサイタルが北沢タウンホールで行われた。作家は昨年はシンガポールで踊り好評を博すなど充実した活動を展開している。
最初の公演というのは印象に残るものだ。今月の頭に原裕子の最初のソロ公演が行われたのだが最初の一歩らしい初々しい空気と共に新しい一歩を踏み出した作家の境地を垣間見ることができた。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20081005)作家としての一歩を刻むグループ公演になるとさらにボルテージが高くなる。グループ公演で現在活躍中のグループの最初のリサイタルでいうと、同じ北沢タウンホールで冴子の最初のグループ公演を見たときの印象を鮮烈に覚えている。内田香のRoussewaltzの最初のセシオン杉並でのグループ公演も懐かしい。 
 思えば、私は菊地をいろいろなところでみてきている。実は2001年の新人賞を受賞したときも私はみているのである。東京新聞のコンクールの受賞作品もみているし、塙琴らと組んでいたユニット、スクランブルエッグ、もみていた。アメリカから帰国した後の作品たちが印象的だ。バレエの島田衣子・西田佑子をはじめとする数人の名プリマたちや私と同年代のモダン・コンテンポラリーのアーティストということもあるのだが、それ以上に911以後の新世紀初頭のニューヨークを経た冴子や宮本舞、そして幸内未帆といった舞踊家たちの間に共通する地平を感じることができそこが興味深い。

 公演はそれぞれ1本の舞台に使えるぐらいのスケールの作品が3本が並んでいる。劇場での時間をぎりぎり目いっぱい使った力投といったところだ。明日までだが明日の夜も今晩同様にソールドアウト。昼の部もある。活躍をみせだしている池田美佳(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20070123)をはじめ、大きな伸びをみせている久住亜里沙、ボーイッシュで魅力的なダンサーの菅原さちゑなどカンパニーメンバーのそれぞれのテイストも楽しむこともできる。是非チェックしてみて欲しい。


705 Moving Co. 1st Recital  「705 Carnival 2008」
北沢タウンホール