休日の赤レンガ倉庫

 開演前のパフォーマンスからみる。赤レンガ倉庫倉庫前の赤レンガ広場と室内と2箇所でパフォーマンスが行われた。赤レンガ広場では空間や一般観光客を活かしたパフォーマンスが繰り広げられた。KAPPA-TEはグループ部門の作品を明るくカーニバル風にアレンジした作品だった。赤レンガ広場と遠景の港というパースペクティヴを活かしながらサーカス風の衣裳を着た渡辺久美子、やのえつよ、川上暁子、村岸もと子らが一般観客で溢れる広場を盛り上げた。今回の白井麻子作品はKAPPA-TEに所夏海(Roussewaltz)が参加をするという興味深いラインアップだ。所の鮮やかな感性を自分のカンパニーのカラーとしてごく自然に使いこなす白井の振付・演出が見事だ。所は同年代の作家たちの作品でも客演、健闘するなど着実に活動の場を広げている。山田歩もグループ部門で発表した作品の1部分だ。全裸で褌、奇妙なモンスターのようなお面をつけた男が街頭パフォーマンスの様にゆっくりと身体を走らせていく。一般観客の好奇の視線の中で肉体がゆっくりと形を描いていく。浜口彩子は旧作を広場で上演していた。久々に浜口を見たが広場のような空間を使いこなすような実力もついてきたようだ。コンパクトでチャーミングな作風が子どもたちに受けていたようだ。 
 室内でパフォーマンスをした作家も多かった。深見章代はエロスや奇態といった形で無意識の過剰な部分を実体化してみせるような作家だが、その世界をさらにスリリングにみせるようになってきている。チュチュに和物を羽織った女達がばたばたとバレエをパロディにしたパフォーマンスをしている。するとその傍らから花で飾られたマイクスタンドを持ったセクシーな美女(村松利紗)が登場。ワイルドなロックンロールの退廃美とともに濃密な世界が展開する。作品の中にはマイクの前で口をあけた深見の顔がずっとライトアップされたり、スレンダーな村松が叫びながら客席に乱入したりとホラーな感覚がみえるようになってきた。北川美和子はサックスの即興演奏や詩の朗読と共にパフォーマンスをした。松田多香子は名曲「Summer Time」など哀愁あふれる音楽を用いながら室内空間を使いこなしながら情感一杯に踊った。北川も松田も室内をつかったパフォーマンスとしてはスタンダードな表現である為に全体の構成が重要になるはずだ。


横浜ソロ×デュオ<Comptition>+
ソロ×デュオ部門

媒体にてレビュー

〔出場振付家

・Christine Merli
・Park Eun Young
・今津雅晴
・KENTARO!!

横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール)