横井茂

 現在、80代の作家たちの時代には一頃まで横井茂、高橋彪という2大巨頭の時代があった。そんな横井の公演が行われ往年の活動を彷彿とさせる見事な舞台を展開した。横井の東京バレエグループは戦後の若者たちの創作バレエの第一世代にあたる。最初に戦後の若者たちのバレエを主張したのは青年バレエグループ(石田種生、佐多達枝ら)だが、彼らに続いて独立したのがこの東京バレエグループだ。
 山野博大は戦後の本格的な創作バレエの原点を横山はるひの「失楽園」辺りからとするが、それと時期を前後するように、横井や高橋、そして青年バレエグループの活動がはじまるのである。戦後バレエ界のメルクマールを感じた公演だった。


舞台生活60周年 横井茂バレエ・リサイタル

ヘンデル ”合奏協奏曲”より 「限りなき白へ」
R・シュトラウス ”4つの最後の歌”より 「夕映えに」
ベルリオーズ オペラ”トロイアの人々”より 「トロイの木馬

媒体にてレビュー

新国立劇場中ホール)
構成・演出・振付 横井茂 新井雅
指揮 榊原徹
オーケストラ 東京劇場管弦楽団
舞台美術 藤本久徳
照明 沢田祐二
映像デザイン 松井桂三
舞台監督 森岡
制作 東京バレエグループ
衣裳 田代洋子