今年の夏は暑さでやられた。おかげで「ダンスが見たい!シリーズ」の中でも3-4本の舞台をみれなかった。


☆アナザーカンパニー・プロデュース公演 ☆
〜夏休み親子で楽しむ日本舞踊の世界・其の十五〜
「日本舞踊解体新書」手話解説

 第1部:日本不思議発見!おもしろ図鑑♪
     「手習子」藤間恵都子
 第2部:アラカルト・オブ・日本舞踊

日本舞踊の面白さを幅広い世代に知らせるための企画が行われた。第一部では踊り手の背後に唄を書いた板がディスプレイされ、上演と同時に今何処を踊っているのか、それにどんな意味合いがあるのかということがレクチャーデモンストレーションされる。今回は長唄「手拍子」が素材に選ばれている。江戸時代の子どもの姿を描いた作品だ。藤間恵都子が踊ったが恵都子にとっては新人公演となった。江戸時代の寺子屋から帰ってくる子どもの姿を描いたのがこの作品なのだが、この作品が初演された時代、松平定信の治世の時代に、「娘道成寺」が近くの劇場で初演されヒットしたようで、道成寺のセリフなども盛り込まれている。当時の江戸の風情や人情、世相が折り込まれた作品だということが解説された。日本舞踊というとなかなか舞踊関係者の間でも洋舞の人は見ることができず、このようなデモンストレーションのような機会と接する機会もない。非常に興味深い内容となった。
 また第二部ではアラカルト・オブ・日本舞踊として観客参加型の抽選方式で長唄や清元の有名な曲がその場で選ばれ、その場で踊られた。「越後獅子」、「禿」といった有名な曲がどんどん上演されていくと踊り手のほうものってくる。その姿は現代の若者がヒップホップのようなポップダンスに興じているようでもあり江戸の町衆たちが、現代では古典になってしまったその時代から現代まで愛されてきた踊りを踊っている姿が印象的だった。

(品川六行会ホール)



 久々に麻布die Pratzeにいく。ビルの取り壊しがはじまろうとしていてさびしい限りだ。
終演後、劇場のバーでたまたまアフタートークの同時通訳をすることになったフランス人作家と話し込む。このバーにもいろいろな思い出がある。最終日ということで照明さん、音響さん、劇場スタッフさんたちもそれぞれに食事をしている。この風景は私の一時代にかけがえない風景だった。それがもうなくなるというのはさびしい限りである。
まったくもって雑詠なのだが、

「涼しげに 高速の上 夏の月」(遊彦)



die pratze dance festival 「ダンスがみたい!9」
−インターナショナルシリーズ−参加公演
加藤文子『らんど・ざ・らんど9−a peace of idea』


媒体にてレビュー

(麻布 die pratze ソワレ)