北国の星空

札幌市は青空だが、例年より少し寒かったようだ。東京で言うと、9月の終わりぐらいか10月の頭のような感じだ。夜になると冬の寒さのような空気が流れていて、昼間はぽかぽか暖かいという感じといったら通じるだろうか。
東京と段違いに違うのはビールの味だ。夏の盛りにビールを飲んでいると汗をかいてしまい、それがあまり気持ちよくない。札幌はビールを飲んでも、空気が乾いているので汗をかいているように感じないのだろう。おまけに食材が抜群に美味しいというのもある。


北海道の舞踊界について今回の滞在中もいろいろな人と話したのだが、そんなにかつての一極中心のように東京を意識していない感触を受けた。これについては別のダンサーも似たようなことをいっていて、舞踊界という意味ではなく、地域として沖縄も、北海道も、佐渡も、九州も本土からの独立を考えているといったことを言っていた。電子メディアを使いながら、自分たちで海外ともつながっていっているような印象を受けた。


午後、時間がとれたので、近くにあった北海道神宮 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E7%A5%9E%E5%AE%AE に立ち寄った。ある北海道出身のダンサーは、本土の人たちが北海道に神社をつくったといっていたし、別の北海道のダンサーはそもそも初詣すらいかないらしい。タウン誌に出ているいわゆる名店の類も、東京だと江戸とか明治に創業というのが多いのだが、札幌でも昭和30年ぐらいに創業というクレジットが目立つ。いい意味でのフロンティアなのだろう。お参りをしていたら、たまたま巫女たちが巫女舞のような儀礼・踊りを見せていたのもあり、いろいろ複雑な心境だった。


夜になって新千歳空港から東京に戻る。東京が雷雨ということで便に遅れが入る。離陸前の機内放送では、南極に滞在をした話が流れている。私の友人のカメラマンは、あるときいなくなったと思ったら、南極に行っていた。アメリカから砕氷船のような船に載って数ヶ月の船旅で南極に行き撮影をしていたそうだ。今では南極を訪れる観光客も少なくないらしい。私も南極とグリーンランドには一度は行ってみたく思っている。シーズンは南半球ということで1月から2月のようだ。メルボルンに滞在したときに、街の港の沖の島に夜ペンギンが上陸してくるという話をきいたことがある。速射砲のように、でもハスキーボイスで話し続けるこのDJはペンギン達との生活を楽しんだようだ。
そんなこんなの中で滑走路から飛行機が離陸をする。窓の外には北極星カシオペア座が輝いている。翼の下には市街地の光が無数に広がっている。北国のクールな空気と星空、離陸という瞬間の三者がタイミングよく重なりロマンチック♪

ダンサーのポートレートというのは、個人的にみるものなのだろうか。機内灯をつけて、ダンサーのポートレートを見ていると、その姿が明るく照らし出される。スーツを着ていたのもあり、ちょっと気後れする。

一路、東京へ。戻ってきたら雷雨で東京は都市機能がまだ麻痺状態にあった。Humidな極東の都市の都市空間に戻ってきた。