Can Nationalism Still Change ?

ベネディクト・アンダーソン 講演 ”Can Nationalism Still Change ?”

国民国家とかポストコロニアルといったタームが、国内の舞踊研究、舞踊批評でもここ数年登場しだしてきている。2004年ぐらいに私がCut-Inの評で台湾から戻った印象を書いたときはそんなことがなかったのだが、ここ数年アジアブームだ。最も、CORD http://www.cordance.org/ やSDHS http://www.sdhs.org/ 系の舞踊研究ではそんなことは当たり前で、そもそも90年代にカルチュラル・スタディーズと舞踊研究の接点の模索なども行われているのだが、海外で仕事をして国内に戻ると、国内の研究者が、ダンスをいわゆるアート、きれいきれいした対象として論じることがあっても、政治性まで踏み込んで表象として論じることが少ないことがなんとなくさびしかった。

「想像の共同体」の著者、ベネディクト・アンダーソンが講演するという情報をたまたまキャッチしたので聴講に行く。東アジア研究とか地域研究系の知人の顔が会場にちらほらしている。AAA(American Antholopological Association)などに行くと、最前列に、アンダーソン以下コーネル大学の同じ系列のお歴々ががーっと並んでいるという逸話をその昔聞いたことがあるが、彼らを見かけるのも無理がない。
講演の内容は21世紀におけるアジアとナショナリズムの話の大枠を論じたもので、そんなに新しくもない内容だったのだが(アンダーソンも大学を定年退職しているというのを感じた)「想像の共同体」をヴァーチャルリアリティやネットの向こうに感じ取っている彼の姿勢はレトロでもあり同時に興味深かった。

慶應義塾大学 三田キャンパス 西校舎ホール)

その後、ある舞踊作家と議論をして、夜は研究関連の打ち合わせをした。