90年代生まれ

 新国立劇場のDance Platformは新時代のアーティストとして今日の20代中場のアーティストをプログラムしたが、同年代にあたる才能たちもいわゆる新人枠から脱して活動を開始しだしたように感じている。フレッシュに感じていた昨今だが、横浜ダンスコレクション(http://www.yokohama-dance-collection-r.jp/jp/index.php)もリニューアルし、25歳前後のアーティストに焦点を当てだしているのが興味深い。現代舞踊では10年代に突入する一歩手前の2009年にすでに新世代を送りだすプロデュース公演も行われた。新しい時代のプロデュースとシーンの流れの融合が楽しみだ。

 彼らに続く90年代生まれの若者たちなのだが、なんと映画で言うとゴダールもトリフォーも知らないみたいな感じで、70年代とか80年代の出来事もそれほど意識していないという語る人もいる。いわゆる教養の再編とメディアの再編ではないが、「AKBとかは詳しい」けれど20世紀後半の文化にはうといケースも少なくないという。そうすると社会学ピエール・ブルデューではないがサブカルチャーポップカルチャーを中心に80年代以後の日本の”資本主義のハビトゥス”を徹底的に解析するような活動というのはある程度の意義があるようにも思えるのだ。村上春樹も圧倒的に強い意識を持って読んでいるのは年配者のようで、彼らにはそれほど浸透していないのに驚かされる。
 ダンスでいうと極論かもしれないがピナ・バウシュローザスも過去のものになりつつあるけれど折込などで知っているといった感じなのだろう。80年代のバウシュの来日のインパクトとかバニョレとかも全く共有しないどころか、こだわり過ぎると彼ら目線で”古いもの”にカテゴリーされるような時代になっていくのだろう。一方でblogやTwitterはあたかも集合知のように機能をするようになってきた。10年代は面白い時代になってきた。