Australia Ballet

 オーストラリア・バレエ団が数年ぶりに来日しグレアム・マーフィー版「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」を上演しました。共に初日1stキャストで見ることができました。

http://www.sydneyoperahouse.com/about/presenters/the_australian_ballet.aspx

 「白鳥の湖」(10月9日:オデット:マドレーヌ・イーストー、ジークフリート王子:ロバート・カラン)は古典をベースにしながらダイアナ妃の悲劇とも重ねているという名作です。日本のバレエファンにとっては、東京シティバレエ団の志賀育恵が”四羽の白鳥”で踊った作品というエピソードも面白いかもしれません。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20080830
 オデットを踊ったイーストーは映画「Mao's Last Dancer」で踊っていることでも知られています。

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毛沢東のバレエダンサー

毛沢東のバレエダンサー


cf. Li Cunxin(李存信) Webpage:
http://www.licunxin.com/

 「くるみ割り人形」(年を老いたバレリーナ:マリリン・ジョーンズ、クララ・バレリーナ:ルシンダ・ダン、子ども時代のくらら:柴平くるみ、医師・恋人の将校:ロバート・カラン)はロシアからロシア革命第二次世界大戦などの戦乱を経てオーストラリアにバレエが伝えられたというストーリーも織り交ぜながら物語が描かれる優れたバージョンです。

 オーストラリアというと日本ではあまり多く紹介されていないかもしれませんが演劇や現代アートでも優れた才能を送り出してきました。上演芸術ではアビニョンエジンバラと並ぶアデレードのフェスティバルが開催される国としても知られています。南半球や東南アジアを中心に環太平洋圏で重要なシドニー・オペラハウスもあります。新世代のダンサーたちも成長してきています。(http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20100407)南半球最大の大陸であり、アジア・環太平洋のダンス界でも大きな位置にある国です。Li Cunxin(李存信)はメルボルンに住んでいることですが、メルボルンには多くのスターが住んでいます。無名時代をメルボルンで過ごした映画俳優ジャッキー・チェンもそんな一人です。日本からは想像がつかないかもしれませんが、独特なアートシーンが存在します。
 私にとっては2004年にオーストラリア・ニュージーランド舞踊学会で発表をしたこともあり、一番最初に私の査読付論文(すごい可愛いペーパーです。)を出してくれた舞踊学会がある国でもあります。このメルボルンで仕事をしました。
 数年前に日本にChunky Moveなど向こうの代表的なカンパニーが来日し公演を行ったことも記憶に新しいです。ダンスも演劇も充実しているのでアンテナを張っていたい国です。