10年代の舞踊環境

 10年代の舞踊を取り巻く環境はどんどん変化してきています。Twitterhttp://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090727)より長めにSummerizeしてみましょう。

  • 演劇では劇団四季などには東京圏を訪れるアジア系の観光客も立ち寄るといった現象も見られるようです。時代の流れも中国やベトナム、インドとの関係が注目され、観光立国といったキーワードも大きく注目されるようになってきました。
  • コンテンポラリーダンスという概念もすっかり定着し、後7-8年もしないうちに新世代の台頭と新しい舞踊表現の創出が求められている側面もでてきています。この時代の中で好まれる作品とか表現も2000年代とまた大きく変わってきています。
  • 不況の下では、コンクールなどもそうですが、首都圏・地方共に厳しい状態のようです。バブル崩壊の流れの中でも豊かな時代だった10年前とまた大きく変わってきています。外来公演も国内の公演数も減ってきているのも実情で、1つ1つの公演のクオリティが問われる時代でもあります。
  • メディアもフルデジタルで双方向が当たり前になり、3Dも浸透してきました。いろいろなテーマが形式化を終え、様式化してきたなという印象もあります。日本発のInternet2(次世代インターネット)と利用したダンスの実験、3次元ネットワークを用いたコンテンツ開発などを手がけてきた私も時代の変化を感じています。ダンスに関するWebzineも急速にTwitter,Flickersなどに対応しだしています。

 10年前と時代が変わってきたことを痛感するこのごろです。90年代とはもう時代が変わったとも考えることが出来、21世紀になったといえます。この時代はさらなる新しい舞踊の起爆剤になるとも言え、その辺りが興味深いです。

 次に上げるのは私も関わったプロジェクトからの画像ですが、こういった環境で仕事をすることが、今の10代・20代中場ぐらいまでのダンサーたちの10年後のスタンダードになるはずです。


実世界とのインタラクション


3Dを使った振付作業


作品制作:テレプレゼンスを使った作品イメージやセノグラフィーの伝達が容易になってくるでしょう。

 舞踊批評に関しては「万年筆に紙」という印象が強いのですが、やはりWebなどを使ったHypertext Writingがほぼスタンダードになり、多くの舞踊批評家・ジャーナリストがTwitterなどのページ、各種チャンネル常備しだしています。活動の場もSNSも含めて各種ソーシャル・ウェブ・サービスに広がってきました。


奥に見えるのが私のPPTファイル:時間を同期させれば、世界のどこにいてもこういったオンライン・カンファレンスを行うことがもう可能です。


日経BP島、日経アーキテクチュア特区でかつて行ったデモ:3Dネットワーク上にあるオンライン・デモ・ブース上でダンスコンテンツの展開を一定期間行った。

 私も3Dネットワークを使った活動をスタンダードに行うようになり、アメリカ舞踊史学会、Society of Dance History Scholarsで認知された舞踊系学会でニュージーランドアメリカ西海岸、そして日本を結んだ業界世界初のRoundtableを実現することができ、そんな時代の流れに身をおいているなと思っています。