上海万博、3D

 「クール・ジャパン」と呼ばれている日本のアニメやマンガなどメディア・コンテンツを促進するため、経済産業省が第1号の世界戦略拠点を北京に置くというニュースが流れ出しています。ユニクロの国外店舗の旗艦店が上海に生まれたことも話題をまきましたが、時代や”日本を取り巻く環境”は2000年代からさらに大きく変わってきています。これからの10年のコンテンツ政策、メディア戦略の方向性が気になるところです。

 3D映像先進国のロシアではマリインスキー劇場がバレエ中継をスタートし( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20100423 )、3次元ネットワーク環境ともいえるSecond Life上ではBallet Pixelle ( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20090919 )のようなアバターによるバレエカンパニーが生まれてきている昨今ですが、上海万博ではソニーなどのパビリオンでダンスを使った3次元映像環境のデモが行われるというニュースが入ってきています。首都圏には秋葉原のようなサイバーノードがありますが、アジアで優れた技術がデモンストレーションされると良いなと思います。

 コンテンポラリーダンスというすでに社会的に認知をされたキーワードそのものが少しずつ保守的に機能しつつあります。舞踊界の様々な箇所で次を狙う動きもでてきています。現代表現に対する姿勢をこういった規制の枠組みに固定をさせないでそれぞれにオリジナルな方向性を模索しつつあります。江戸から現代文化の最先端まで幅の広い世界やカルチャーが共存しているのが現代日本の面白いところです。
 欧米ではそれこそパリ5月革命の頃にポストモダンを志向したジェネレーションの思想家・政治家・官僚から若い新世代へ世代交代が本格的になってきています。日本でもこのような現象がはじまっています。新時代の舞踊文化が楽しみです。