懐かしい90年代

@2月18日

”失われた15年”とか”20年”とかいわれている最中に舞踊批評活動をしてきているわけだが、経済が本当にひどい。東京の老舗の画廊もいくつかなくなったし、大きな百貨店もなくなるという情報が流れてきている。バレエやダンスはバブル崩壊後の残照の中で、それでも豊かであり続ける日本社会の産物として我々の前にあった。バブル崩壊をしたとはいえ、往時ほどではないが、豊かな生活のシンボルのようなものとしてあった。バブルを知らない若者は本当の豊かさを知らないとまでいわれた。フォーサイスヤン・ファーブルが二十代の若者たちにもてはやされた20年前とはそんな時代である。ニューアカデミズムの名残、そして情報社会論の到来へといった季節だった。10年代のバレエやダンスはある意味ではそんな空虚な豊かさを削ぎ落としたような地平に存在しているように思える。
一方、アジアに目を移すとその伸びは著しい。例えば中国の北京舞踏学院の卒業生は一年間に男女合わせて2600人という。日本の舞踊組織の規模と比較してみると数がからして違う。男性舞踊手も多いという。
京舞蹈学院: http://www.bda.edu.cn/
関連ページ:
http://japanese.cri.cn/205/2008/06/04/1@119627.htm
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/02/html/d68919.html
中国ではGuangdong Modern Dance Festivalは盛んなフェスティバルの一つだ。http://www.gdfestival.cn/en/index.asp
国際政治の現場のようにアジアの舞踊界では日本は経済力だけあてにされるような場面も少なくない。舵取りが難しい時期なのは事実だ。