高田茜

 日本人の若手バレリーナでこれからに期待をしている才能もいます。昨年、高田茜さんはローザンヌ国際バレエコンクールで入賞し、観客賞を受賞した事は話題になりました。今年から英国ロイヤルバレエ団に入団し期待をされています。

関連記事:
http://www.swissinfo.ch/jpn/archive.html?siteSect=883&sid=8701757&ty=st

 高田さんは高橋洋美先生に学びましたが、高橋先生は松尾明美先生の門下です。松尾先生は戦前は日劇でオリガ・サファイアに学び、この時に四羽の白鳥を日本人で初めて踊ったエピソードなどでもしられていますが、東勇作先生に学びました。東先生とは様々な活動をされていますが「ジゼル幻想」は有名です。戦後の舞台芸術は1946年の8月9日に上演された*1第一次東京バレエ団の「白鳥の湖」と江口隆哉が振付けた藤原歌劇団の「カルメン」に始まります。日本にバレエブームを引き起こす大きな引き金となったこの作品では東先生とファースト・キャストで主役を踊っています。後に蘆原英了先生のイントロデュースで慶應バレエ研究会で教えたり、さらに1950年代には英国の舞踊批評家シリル・ボーモンドの名著「Ballet called Gisselle」をもとに再現し日本初演したりしています。(この本は翻訳をされています。)

ジゼルという名のバレエ (クラシックス・オン・ダンス)

ジゼルという名のバレエ (クラシックス・オン・ダンス)


「ジゼル」は時期を前後するように活躍をした英国の名バレリーナアリシア・マルコワ(Dameがつく)、を学んだりしたともいいます。

Fan Siteより:
Dame Alicia Markova
http://www.youtube.com/watch?v=cl8qskS2ZIM
Dame Alicia Markova & Sir Anton Dolin
http://www.youtube.com/watch?v=LmeAEmMdWTQ

 いわば、そんな松尾先生からみて第三世代が海外で活躍をはじめたということもできるでしょう。高田さんのこれからが楽しみでしょう。この秋は関東では谷桃子バレエ団が「ジゼル」を上演することが話題をまいていますが、関東に限らず関西、日本全国でも上演されるようです。戦前から戦後にかけての長い伝統の中で「白鳥の湖」も「ジゼル」もポピュラーになり根づいたということができます。

若き日から日本国内のコンクールで活躍をし注目をされてきました。ローザンヌと同年のNBA全国バレエコンクールでの映像です。
NBA全国バレエコンクール(2008)高校生女子の部
http://www.kk-video.co.jp/concours/nba2008/highschool-girl.html


あの懐かしいローザンヌでの活躍は公式サイトより楽しむことができます。

Prix de Lausanne 2008 - Akane Takada - Classical Variation :

公式チャンネルより

Prix de Lausanne 2008 - Akane Takada - Contemporary Variation:

公式チャンネルより


さて最後は9人のバレリーナが「ジゼル」を踊るという映像でしめましょう。

Fan Siteより:
Giselle variation by 9 ballerinas
http://www.youtube.com/watch?v=6KX6V4Snyvk&feature=rec-r2
Irina Kolesnikova,Aurelie Dupont,Svetlana Zakharova,Alina Cojocaru,Polina Semionova,Svetlana Lunkina,Evgenia Obraztsova,Yulia Makhalina,Alessandra Ferri
ファンならではの凝ったダンスコンテンツといえるかもしれません。

高田さんはどんな「ジゼル」を成長を重ねることで踊ってくれるでしょうか。今から楽しみです。

 最近はこのところバレエの話が多いというご指摘をどうもうけるので、次回は現代舞踊のお話を♪ 
 それではまた。