浜松

 石井小浪と縁がある週末である。谷桃子は若き日に石井小浪に現代舞踊を学び、それからバレエにいくことになるのだが、今日は石井小浪同門会で活躍をしている佐藤典子の児童舞踊を見に浜松に行った。

 浜松は日本の音楽文化にとって重要な都市である。今のヤマハ楽器の原点にあたる山葉風琴製造所が山葉寅楠によって明治21年に生まれたのはこの街だ。*1製材、漆塗り、など地元の産業とピアノの製造が近かったこともその背景にあった。明治33年からは国産ピアノを生みだし続けている。以来、伊澤修二らの協力もあり日本の音楽文化に大きく貢献してきた。ヤマハに続き河合楽器もこの街からでてきた。一連の洋楽器がこの国の近現代の上演芸術に貢献してきたのはいうまでもない。
そんなこともあり、JR浜松駅に降りると駅の構内で楽器のデモンストレーションがされていたりする。日本有数の楽器博物館であり最初の公立楽器博物館である浜松楽器博物館に立ち寄ってきた。無数の世界の楽器がディスプレイをされ、様々な切り口から楽しめるようになっていた。チェレスタという楽器のコーナーでバレエ音楽くるみ割り人形」の1フレーズが出てきたのはご愛嬌といったところだ。

 静岡はお茶のおいしい街である。終演後、夜遅くの新幹線で都心へと向かう。久々にネオンサインに見入った。

佐藤典子 舞踊生活60周年記念
グランドフェスティバル

(ソワレ アクトシティ浜松 大ホール)