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スズキ・バレエ・アーツ第22回「くるみ割り人形」

　スズキ・バレエ・アーツの「くるみ割り人形」をみた。これまでクリスマスシーズンにこのバレエ団では、清水さくら（シンガポールダンスシアター）、滝井真樹子（元ドイツ・ライン・オペラ・バレエ）、雨森景子（英国ノーザンバレエシアター）、大森和子（コレーラ・バレエ・カスティーヤ・デ・レオン）を楽しむことができた。指導者として定評がある鈴木だが、門下からは優れたバレリーナたちを輩出している。
　今回のこの演目の特色は新人三浦梢と近年活躍中の今井智也を起用していることだ。ベテランの滝井真樹子はクララとしてベテランならではの演技をみせる。2幕最後の三浦と今井の金平糖のグラン・パ・ド・ドゥは共に新人らしい勢いがあったが、パートナーシップや１つ１つの表現の細かい完成度という面でさらに修練を重ねて欲しくもある。今年はワイノーネン版に基づきながらも滝井が出演していることもありクララと王子が踊るシーンも大切にしている内容だ。2幕冒頭でこのベテランダンサーがみせたしっかりとした演技と技術に基づく表現は見事なものだった。若い二人もこの水準を目指して世界へ羽ばたいていって欲しいところだ。
(鎌倉芸術館　大ホール)
出演： クララ：滝井真樹子（元ドイツ・ライン・オペラ・バレエ）
金平糖：三浦　梢（谷桃子バレエ団）
王　子：今井智也（谷桃子バレエ団）
構成・振付：鈴木和子
バレエ・ミストレス：川喜多宣子
アシスタント・バレエ・ミストレス：小島恵美子
照明／梶ライティングデザイン
舞台監督／菰方伸明
音響／矢野幸正
曲目・演目： 演目：バレエ「くるみ割り人形」全幕
作曲：チャイコフスキー