文字通り師走です

 佐藤桂子・山崎泰スペイン舞踊団をはじめてみた。フラメンコ雑誌「パセオ」などで創作フラメンコに取り組んでいるグループだということは知っていたのだが作品と接してみるのはこれが最初だ。能楽のような古典・現代、和と洋のイメージが入り混じっている作風だ。個人的には創作よりはいわゆるプーロ・フラメンコ、古典をがっちりみせるような感じのステージが好きなのだが、このグループは優れたダンサーを送りだしてくることも見逃せない。風祭由佳は優れた新人だ。しなやかな肢体からみなぎる感情とフレーズを刻みだしてくれて楽しませてくれた。

佐藤桂子・山崎泰スペイン舞踊団 
ブラックホールシリーズ「その人、メロス」

出演・振付:杉本光代、池本佳代
出演:長谷川秀介、外川華奈子、横山美奈子 他

 夜は新国立劇場バレエ団によるアシュトン版「シンデレラ」だった。2幕の途中でラリーサ・レジニナが怪我をした為主役が交代し、さいとう美帆とマイレン・トレウバエフがその続きから代役として踊った。アリーナ・コジョカルの件はさておき、コボーを楽しみにしていたのだが、アクシデントは残念だった。とはいえ3幕はいつもの新国立のラインアップでまとめてみせていた。特に仙女を踊った川村真樹と冬の精の寺島ひろみに注目したい。川村は主役でもみてみたく思う。寺島も優れたダンサーだがさらに音楽性が出てくるとなお良いようにも思える。男性ダンサーは二幕で道化を踊った八幡顕光が一際目を引いた。小野絢子もはフレッシュな表情を見せ健闘をしていた。

新国立劇場バレエ団「シンデレラ」
新国立劇場 オペラパレス)
振付:フレデリック・アシュトン 
指揮:デヴィッド・ガルフォース 
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団
ラリーサ・レジニナ(オランダ国立バレエ プリンシパル)/ヨハン・コボー(英国ロイヤルバレエ)
後半より代役として:さいとう美帆/マイレン・トレウバエフ


帰り際に駅で太刀川瑠璃子先生の訃報を関係者から聞く。