旗野恵美、佐多達枝

 昼間は邦正美に学んだ旗野恵美の舞踊公演だ。久々に旗野の作品をみた。夜に見ることになる佐多達枝作品と同様に雄大な時間の流れをサブテーマとして感じさせる作品というのが個人的に興味深かった。


第45回旗野恵美創作舞踊公演「生生流転」
(青山円形劇場 マチネ)
ダンス:旗野恵美、旗野由記子、中川桂、宮崎百代、奥木愛子、竹淵由美子、田中真美、小峰慶子、古田容子、菊池玲、藤原萌衣、高橋裕吾、林敏秀、岡田慎樹、板垣信司、鈴木匠和、鈴木泰介、小林森
ライヴ演奏:久田舜一郎(小鼓)、齋藤徹(コントラバス
録音演奏:竹澤悦子(笙、箏、17絃)、佐藤佳子(ヴィオラ)、吉澤延隆(箏)、井野信義(コントラバス


 その後、佐多達枝の「庭園」を見にいく。私個人にとってもいろいろ思い出深い作品だがチラシに文を載せていただいたこともあり後評は書かない。初演の2006年のバージョンとは若干の改訂もあったし上演された劇場も、初演はメルパルク、今回はシアター1010、とサイズも客席と舞台の距離も違うこともあったとはいえ今回のバージョンも楽しめた。2006年という年に接した時と、殺伐としている2008年の今回とまた大きく印象が異なる。また私自身もその当時より変わってきたということも感じた。
 何より素晴らしかったのは冒頭で『光合成』を踊る高部尚子だ。初演のときもその美しさには目をみはった。足川欽也、石井竜一、そして坂本登喜彦といった男性舞踊手たちの新しい表情に気づかせてもらえたし、高部・下村に続き西田佑子と共に次代を担うプリマの1人としてこれからに期待がかかっている島田衣子、モダン=コンテンポラリーの関口淳子も充実した演技をみせていた。永橋あゆみもこれからが楽しみで応援したい才能として注目したい。


佐多達枝「庭園」
(シアター1010)
演出・振付:佐多達枝
ダンサー:足川欽也、穴吹淳、石井竜一、後藤和雄、坂本登喜彦、武石光嗣、登坂太頼、遠藤綾野、奥田麻衣、宇山たわ、斎藤隆子、澤井貴美子、島田衣子、関口淳子、高部尚子、樋田佳美、永橋あゆみ、堀口聖楽