歌を作る

 谷川健一日本経済新聞に優れた民俗学者や旅行家たちが歌を作りつづけたという話を書いていた。歌を作りつづけることで豊かな素地が生まれてきたといったニュアンスである。舞踊批評でも近代から現代にかけて多くの書き手たちが歌を作りつづけている。今日の大御所では山野博大や日下四郎(http://homepage1.nifty.com/ukaikusakaayumi/)は代表的な存在だ。私も時々歌を作ろうとするのだがまったくもって三日坊主で続かず定期的というわけにはいかない。若手の舞踊批評家の中ではアンダーグランドで活動する柳沢望が短歌を志し活動をしていたりする。文芸では江藤淳は”批評とは俳句である”といい俳句を重んじたが福田和也は自分自身の文体を短歌的だと語っている。舞踊でも短歌の作り手と俳句の作り手では書くもののテイストが若干異なっていたりする。
 オクタヴィオ・パスや大岡信による”連詩”が詩壇ではかつて話題をまいたが、ダンスや音楽のジャムにあたるような、連歌ができるようになれば面白いのだとは以前から思っている。戸板康二のように年の瀬に銀座の歌会に出たといった逸話がでてくるとちょっとダンディなのだが。


Piece of Modern 「WEAK POINT」
(ソワレ ラゾーナ川崎プラザソル
演出・振付 : 作・演出・振付:前澤亜衣子
振付:小林洋壱
主な出演者 : 前澤亜衣子
小林洋壱
乾直樹
秋月淳司



■最近の舞踊界

名古屋で活動する深川秀夫が橘秋子賞を受賞し話題をまいていた。