ジギタリス

今の二十代の若者たちが集うクラブとかライブに行くと意外にロックがリバイバルになっていて驚く。私の頃はロックは大きなブームが終わりドラム&ベースとかアンビエントとかいわゆるクラブミュージックという傾向が強かった。ないしはそれこそMaxを使ってリアルタイムコーディングで大音量を鳴らすサウンドアートとかエレクトロとか現代音楽路線。DJ La Laこと山中透とかマーカス・ポップとか身の回りで一時的に流行っていた。あとはクラブで遊んでいてもいわゆるベタベタなダンス・クラシックスみたいなものもちょこちょこきいたものだ。
 最も私の場合はまだ学生時代の10代の前半に現在ダンサーとして活躍しているある作家と知り合って、当時彼からプログレやハードロックを学んだため、同年代でも珍しくロックを聞くほうだ。後に20代前後になると周囲からヒップホップなどをガンガンに踊っていた友人もでてくるようになった。そんなこともあり彼らが聴いている音楽と接するとちょっと懐かしくもある。(三田村「怪奇骨董音楽箱」http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20061122、あるいは椹木野衣の音楽三部作でもいい>流行っていたよね、昔)
 彼らの中にはダンスにインスパイアをされた作品を発表しているグループもいる。ジギタリスMySpaceのページ:バンドの公式ページにはこのページからいくことができる。http://www.myspace.com/digitalisjp)は一昔前のプログレケイト・ブッシュを想いおこさせるグループだ。レーベルはNomadic Records。ケイト・ブッシュリンゼイ・ケンプとの交流もあるがそんなこともふと想いおこさせる。

 
この「ヘキサグラム」はUSEN440のCG-27インディーズカウントダウンで1位に入った曲のようだ。また上のリンクから聴くことができる試聴二曲目の”Myrninerest”という曲は、インバル・ピント・カンパニー(http://saf.or.jp/education/geijyutu/2006/dws0726.html)の『オイスター』『ブービーズ』に着想を得て歌詞を書いたそうだ。「ヘキサグラム」のPVにも神秘主義的な記号がでてきて、おもわず「天使論」(笠井叡)?!みたいに思えたりする。なかなか興味深い。英語のバンド名はDigitalisだし、作品には「ユビキタス」なんてタイトルもある。
ダンスは70年代リバイバルが昨今言われているが、それは70年代生まれの踊り手たちが新鋭作家になってきているからでもある。故に舞台の上でもサイケデリックリバイバル?!みたいなビジュアルが出てきたりする。70年代はバブルの前兆のような時代でもあり、なおかつ美術・音楽のほうが時代をリードしていた時代でもあり、この時代の音楽やダンスカルチャーのことを面白く思うことがある。