現代舞踊の歩き方(2) 私の取材ノートから

 私のBlogでは「今月のダンサー」として連載インタビュー企画を持っているが、11月はお願いをしていた人がいたのだが、その人が連絡が取れなくなってしまったので、コンテンツを掲載する段取りにいたらなかった。無理をして「頑張りすぎない」ようにしているので、先月のこの企画はなしということにした。12月もリズムが狂ってもしかしたら掲載できないのかもしれないが、各種公演予定を見ながら復活させたく思う。

 ということで、代わりといってなんなのだが、「現代舞踊の歩き方」シリーズ( http://d.hatena.ne.jp/yukihikoyoshida/20070725 )として、今日は現代舞踊のここ数ヶ月の見所を私の丸秘データ:^)から書いてみよう。この企画の方は私が気が向いたときに展開する企画なので、不定期に、でもロングランで継続したく思う。

 一つのカンパニーにいわゆるスターダンサーが二人いると、それはとても楽しみだ。
 古くは、ダンスカンパニー・カレイドスコープの大竹千春、中村真知子などはこの二人のファンが多かったことが記憶に新しい。最近では大竹はコンテンポラリーダンスの幸内未帆と一緒に踊り、これまでにないいいテイストを打ち出している。中村もこの春に見たソロはなかなか良かったため、これからが気にかかっている。

 現在伸び盛りなのは鈴木麻依子と北島栄だ。二人とも一時期の冴子作品で競演をしていた踊り手だ。それぞれの世界観を確立しつつあるだけあり、どう成長をしていくかが楽しみだ。
 さらに菊地尚子のカンパニーで踊っている池田美佳と久住亜里沙も見逃せない。ダンサーとしては池田のほうが一足先に社会的評価を受けだしている。久住も今年の東京新聞のコンクールで入賞を果たし、この秋には上原かつひろの作品で所夏海や冴子のカンパニーで活躍を始めた萩原綾と一緒に踊りコンクールで評価されている。菊地がコレオグラファーとして旬になってきていることもあり、池田=久住には注目している。

 加えて今シーズンのモダン=コンテンポラリーの踊り手で見落としてはいけないのは、海外にいってしまう荒木まなみと野村真弓だ。
 荒木はダンス・コロキウムでピエール・ダルドの作品やじゅんじゅんの作品で踊っていた踊り手だ。野村真弓はH.ART CHAOSなど様々な舞台で活躍をしている。この12月の中旬に坂本秀子舞踊団の公演があるのだが、20代の盛りの最もフレッシュな時期の荒木と横田佳奈子のユニゾンを見ることができる重要な機会になるだろう。この二人はそれぞれコンクールの1位を持っているが同じ東北出身で、中野真紀子の作品などで見せる横田=荒木のユニゾンは絶妙で素晴らしかった。横田=荒木と書いているが、実際には双方ガンガンに踊れるため、実質的に名前には順はない。一方、野村は創作で健闘を見せている。海外から戻ってきてからの近未来の活動がとても気になる存在であり次世代を担う大きな存在の一人になるかもしれない。

 男性で気になるスターダンサーが二人以上いるグループというのはあまりイメージにない。といっても古賀豊や菊地の周りにはキャラクター性の高い男性ダンサーたちが集まっており、その動向が気になっている。

 最後に来シーズンからの活躍が気になる一人が所夏海だ。所はRoussewaltzの女性ダンサーとして活躍をしているが、カンパニーのラインアップがどうなるかということも気になるが、コンクールで最も楽しみにしている作家の一人である。

 今月の前半には秋田のコンクールも終わり年度内のコンクールは終了する。結果がどうなるかということが気になりながら来年の春一番の現1がどうなるかということも楽しみにしている。