秋が次第に
異常な暑さが一段落した感覚があるが、なんとこの夏は北極の海氷面積が最小になったようだ。http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070817-242783.html 大学生の頃はローマ会議だとか環境問題とか強い関心がなかったのだが、明らかに気象に何かがおきている感触がある。
といっても、暑さが次第に穏やかになると、なんとなく秋の風情も見えてきて心が落ち着いてくるのも事実だ。
朝から銀座に向かう。朝の人が増えてくる前の時間帯の銀座というのは夜の華やかさとは以外に普通の都心の町である。浅草＝上野間というのは日本発の地下鉄だったようだが、同時にアジア発だったようだ。東京の地下の秘密については昨今いろいろな書籍が出ていて興味深い。しかし地下鉄とつながっている地下劇場はないようだ。銀座駅の地下には浅草＝上野間の地下鉄を創った人の銅像がある。その上に上がるとメゾンエルメスがある。
Dance-ダンスIV
La Cinema Theque de la Danse http://lacinemathequedeladanse.com/en とHERMES PARISの共同によるダンス映像上演企画第四弾としてダンス映像が上演されている。無料なので若手の実演家たちは銀座のメゾンエルメスに電話をして予約をとって勉強をしにいくと良いかもしれない。
私が見たのは2回目なのだが、最初にどの会を見たのかは記憶がない。「Merce Cunningham」（エチエンヌ・ベッカー、ジャクリーヌ・ライナル、パトリス・ワイヤー監督）はカニングハムのラウシェンバーグらとの当時の活動の記録映像だ。ケージやラウシェンバーグと活動を繰り広げているさまが伝わってくる。椅子を背中につけたダンサーと別のダンサーが絡んでいたり、チャンスオペレーションのように動いているさまを見るとその時代をパフォーマンスの空気を感じ取ることができる。カニングハムの動きはもう完全に彼のムーブメントなのだが、彼が最初に習得していたモダンダンスを思わせる下りが１，２あり興味深くも思った。「Andy Warhols's Exploding Plastic Inevitable」（ロナルド・メカス監督・編集）はウォーホールの実験スペースDOMの記録映像。映画「I Shot Andy Warhol」を見たことがあれば、当時の彼らの活動は解かるはずだ。今のクラブの原型に当時の若者が集まり、「Experiment」や「知覚」といった当時流行した概念を体現・体験するように身をゆすっている。「Capoeria - Dances of Diaspora」（トーマス・ロヴァル・バロー監督）は美しいカポエィラの記録映像。サブタイトルがDiasporaとあるのだが、もう少し社会学的、人類学かとおもったのだが、あっさりとダンサーの動きだけにまとめている。「Captives(2nd Mouvement)」（N+N Coursino監督・振付）は現代ではネットゲームなどでも一般社会に認知をされてきたヴァーチャル・エンバイロメントとダンスを探求してきた映像だ。今ではもうネットゲームやアバターなどで日常的にヴァーチャル・リアリティが存在する。Open GLなどで書いたような３DCGの世界の中でダンスが探求されている。最後はティエリー・デゥ・メイ監督でフォーサイスの振付の「One Flat Thing, Reproduced」だ。フォーサイス自身や安藤洋子も出演して、均等におかれた大きな机と机の間の空間、机の上のスペースを使ったダンスが繰り返される。緊張感あふれるダンサーの動きも見事だがこれをまとめたカメラアングルもなかなかのものだ。
貴重で面白いダンス映像を定期的に紹介している企画だ。ダンスというジャンルに特化してコアなアートファン、ダンスファンが見にくる企画といった印象もあるため、裾野を広げていくことも大切だ。内容としては裾野を広げうる充実した企画ともいえ認知度が重要になるといえる。
（メゾンエルメス10階 ル･ステゥディオ 11:00- 関連ページ：http://www.tokyoartbeat.com/venue/52276C8D 地図情報： http://maps.live.com/default.aspx?v=2&cp=35.671981~139.76356&style=h&lvl=18&tilt=-90&dir=0&alt=-1000&encType=1）
青山ではオハッド・ナハリンの私の大好きな作品が上演されるので楽しみにしていた。
媒体にてレビュー
