ボートハウスでパフォーマンスを!

私はボートハウスのファンだという事は皆さんご存知かと思うのですが、
下のような企画に関わることになりました。是非遊びにいらしてください。

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5月末の係留期限の迫ったLOB-FEPですが、最後に小さなパフォー
マンスを開催することにしました。今回はあくまで実験的内輪リハーサ
ルといった趣向の試みですが、お気軽に起こしいただければ幸いです。

エマージェンシー・パフォーマンス/デイリー・パフォーマンス
Emergency Performance / Daily Performance

京浜運河大井競馬場前に浮かぶ、災害支援船「LOB-フローティ
ング・エマージェンシー・プラットフォーム(LOB-FEP)」に
て、カワムラフカミ、菊地尚子による水上パフォーマンスを行います。
災害などの非常時、パフォーミングアーツはどのように、人の心に届く
だろうか。また災害支援船LOB-FEPは、物質的支援だけではない
文化的精神的パフォーマンス(=性能・機能)をどのように発揮できる
だろうか。こうした可能性に向けての、小さな実験的パフォーマンスの
試みです。
なお、あくまで今回は「内輪」でのリハーサル的な実施です。会場の不
備などあるかもしれませんが、みなさんと共に水上のパフォーマンス空
間の可能性を語らいたいと思っています。

■日時
5月27日(日) 1800時〜2000時

    • だいたい1800時すぎから、即興のパフォーマンスを断続的に行

う予定です。

    • 多少のドリンクを用意しています。日没のひとときを、ごゆっくりお

過ごしください。

タイムテーブル(予定)
1800時   オープン
1830時頃〜 705 Moving Co.( 菊地尚子、青木教和、
塙 琴)
1930時頃〜 カワムラフカミ
2030時   クローズ


■会場
災害支援船「LOB-フローティング・エマージェンシー・プラット
フォーム(LOB-FEP)」

■入場料

    • 1,000円(1ドリンク)

■LOB-フローティング・エマージェンシー・プラットフォーム
(LOB-FEP)とは
LOB-FEPは、BOAT PEPLE Associationが提案するバージ船をリ
ユースした自律型エネルギー供給船。災害時に短期的な食料や電力を供
給する水辺のエマージェンシー・プラットフォームです。

パフォーマー

    • カワムラフカミ
    • 705 Moving Co.  菊地尚子 青木教和 塙 琴

■連絡先
坂倉杏介(BPA
kyosuke@ss.iij4u.or.jp
080-5016-1129

■プロフィール

「初期型」主宰の河村篤則と、「高襟(ハイカラ)」主宰の深見章代の
デュオ「カワムラフカミ」は2006年(ダンスがみたい!新人シ
リーズ)にて結成。ポップでアンバランスなパフォーマンス。

4才より踊り始める。2001年、現代舞踊協会新人賞、2002
東京新聞主催全国舞踊コンクール第1位・文部科学大臣奨励賞
を受賞。2003年より文化庁芸術家在外派遣員として約3年
間渡米(NY)。Larry Keigwin+Company、Nathan
Trice/RITUALS、映像音楽ダンスのコラボレーションカンパニー
MUXなど、NYで活躍する6つのカンパニーとダンサーとして
仕事をしながら振付家としても活動。渡米前より「最終的に自分のダン
スのエキスパートになれたら」と開始したソロシリーズ「自分マニア」
もDTW、Joyce Soho、Joe's pubで発表。Village
Voiceやその他のレヴューでも取り上げられ好評を得る。しかし自分の
作品を腰を据えてじっくり作りたいとの気持ちが募り、NYで立ち
上げた「705 Moving Co.」を始動するべく、2005年
10月に帰国。アイデアを現実化しやすいようにと705 Studioを構
え、プライベート・パフォーマンス「705 Circus」を展開予定。
また、1997年より主宰しているダンススクール「705 Dance
Lab」も継続しながら、後進の指導にも力を注いでいる。


ボートピープル・アソシエイション/BOAT PEPLE Association BOAT PEOPLE Associationは、
アート、建築、都市計画、地域交流など
の分野で活動するメンバーによって構成されるグループ。都市の新しい
「水上経験」をテーマに、運河の地図「Canal Cruising Map」の
制作や水辺のワークショップ、横浜トリエンナーレ2005などでの
アートワークを手がけている。
http://boatpeople.inter-c.org/


以下は、アーティストのコーディネイトなどをしてくださった吉田悠樹
彦さんが寄せてくださったコンセプトメモです。

 サンフランシスコのベイエリアのボートハウスで暮らしている日々を
ハイパーテクスト概念の生みの親のテッド・ネルソンからきいて日本人
の都市生活にもそんな豊かさがあってもいいなと長年思っていた。隣人
にはLong Now Foundation、Whole Earth Electoric Link
のスチュアート・ブラントがいるんだということをテッドは微笑みなが
ら語っていた。それが私のボートハウスとの出会いであり、夢だった。
後に大好きな哲学者ミッシェル・セールもまたボートで暮らしていたこ
とが解った。いわゆるポストモダン的な漂白の思想、定住しない生活と
いう文脈と彼らのライフスタイルは重なってくるようだ。
 その一方でボートハウスは決してスノッブな人たちのカルチャーでは
なく東アジアでは生活の必要性や土地が少ないため水上に住むといった
生活の必要性や経済とも結びついてくる。東京に水上生活をと思ってい
てもなかなか出来ない。そんなところに彼らとであった。彼らは被災時
のアートと取り組んでいる。阪神淡路大震災の時に一番最初に緊迫した
人々の心を解き放ったのは音楽や演劇といったライブアートだった。も
し東京で災害がおきたときにも一番最初に人々の心にぬくもりを届けら
れるのはダンサーやミュージシャンといったライブアートのアーティス
トなのかもしれない。現代人は被災をしていなくても都市生活そのもの
が被災のような厳しい臨界点のなかの生活を強いられている。
 ボートピープル・アソシエーションのボートハウスにはじめて伺った
とき、水上に浮かぶパフォーマンススペースを想った。被災時に対応で
きながら、かつ固定化された位置を逸脱するように少しづつずれていく
スペース。とりあえず何か出来ないかと思い小さな一夜の試みを実現さ
せてみた。
吉田悠樹彦(舞踊批評家)