札幌

再び北海道に行くことになった。新千歳空港に降り立つと気温は8℃。北海道では5月に春になるそうだ。札幌の琴似という場所にある劇場、コンカリーニョ・シアター http://www.concarino.or.jp/ に取材に行くためだ。

劇場に着くなり驚くニュースが入ってくる。4月4日付で邦正美が他界をしたようだ。享年99歳。北海道には邦のムーブメントを継承している現代舞踊家の能藤玲子がいる。

コンカリーニョはコンテンポラリーダンス関係で近年使われている劇場だが、現在のこの劇場は新・コンカリーニョで、その昔は赤レンガ建築の雰囲気がある劇場空間だったそうだ。その時代を私は知らない。世界一周から帰ってきた伊藤キムが最初に踊ったのはこの劇場であり、しばらく踊っていなかった山田せつ子がここならばということで踊ったことがあるらしい。コンドルスの近藤良平も踊ったことがあるそうだ。
劇場の横にはコミニュティラジオの放送局があり喫茶スペースにもなっている。開明的でインディペンデントな空気を感じる。

札幌は札幌舞踊会というバレエ系公演があることは東京にいる私も知っていたのだが、なかなか面白い試みも行われているようだ。
NOISM http://www.noism.jp/ がここ北海道で公演を行うと劇場キャパが800に対して400しか入らないようだ。東京からの航空券代を考えてみると、宿泊費込みで3万ぐらいなので小旅行をかねてこういう場所に見るのも面白いかもしれない。舞踏は五井輝など北海道で活躍する作家のことを知っている人が劇場で出会った人に多かったが、あまり一般的ではないらしい。釧路に大野一雄を呼んだりしているジャズ喫茶があるそうだが、なかなか難しいという話をきく。

公演で用いられた音楽は生演奏だったのだが響きがいい。空気が乾燥しているためだ。北海道は気候などの関係から音楽が盛んだという。冬の寒い間は皆部屋のなかで過ごすそうなのだが、室内楽の公演などが人気があるようだ。舞踊もさらに市場を広げていくことが重要だ。

街のあちこちに雪がまだ残っていた。北海道の吹雪は激しいらしい。その中で人々は辛抱強さを学んでいるときいた。


SRD Dance Performance 「 時代 〜とき〜 」

媒体にてレビュー

(コンカリーニョシアター:札幌 マチネ・ソワレ)