ギャスケル蔵書を中心として

フィリップ・ギャスケル博士の心性と蔵書(4)
イギリスの版元製本
ギャスケル蔵書を中心として

「新書誌学入門」などの著作を持つ、フィリップ・ギャスケル博士のコレクションを展示した展示会。著者は20世紀のイギリスを生き、版元製本が登場することにより書物がどう変化をするかということを研究していた。ウォルター・スコット「島々の領主」、ダンテ「新生」、マロリーの「ブリテンの王、著名なるアーサー王の歴史」など、20世紀初頭にかけての美しく製本された書籍が展示されていた。
舞踊書もまた製本で凝ったつくりをされることが多いジャンルだ。大田黒元雄の書籍などは著者の趣向もあって美しい装丁である。大英帝国の絶頂期に出版された美しい書籍を集めることが出来た著者のコレクタースピリットがよく伝わってきた。

慶應義塾大学三田メディアセンター)