舞踊批評と<病>
舞踊批評家とは大変な職業だ。同業者でも体調が優れない人が少なくなかったりとそれなりに皆大変な状況である。
これが近代的な小説家だったら、それは結核などの病と共に1つのパターンといえるのだろう。
- 作者: 柄谷行人,すが秀実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/10/04
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: スーザンソンタグ,Susan Sontag,富山太佳夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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なんて<懐かしい>本もある。
90年代までパリにいた先輩、といっても年が離れた友人ともいうべき存在とこの日に再会した。彼は90年代、ミッシェル・フーコーの周りにいた人たちがHIVでばたばた死んだということをその昔物語っていた。その時代に、京都まで行って皆で遊んだ古橋悌二やその仲間たちとの話なんかも少しでてきて、過ぎ去った時間とかついての思い出、そしてお互いの現在を確認する。
- 作者: ダムタイプ
- 出版社/メーカー: リトルモア
- 発売日: 2000/11/01
- メディア: 単行本
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あの頃、「A.T.O.R」(At your Own Risk)や「気に障ることが大切なんだ」といったダム語が身の回りを飛び交い始め、寺山修司はこんな感じだったのかなと思ったものだ。そしてそれがメジャーになる寸前に古橋はHIVで死んだ。自身がHIVポジティブであったことを家族にも告白していなかったことは、当時の関係者に話題をまいた逸話の1つだ。
- 作者: 熊倉敬聡,千野香織
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 1999/04/01
- メディア: 単行本
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大学ではなんていうシンポジウムが開かれ、惜しくも若くして他界した千野香織さんがレクチャーをしていた。収録されたシンポジウムは丁度クリスマスイブで、手伝いのスタッフが皆女の子たちだったのだが、その中で唯一の男のスタッフだった。その時に一緒だったメンバーは今でもアートシーンを担っているライターが多い。
ダンサーと病という問題は極めて良く語られている。
- 作者: 鈴木晶
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 1998/06/25
- メディア: 単行本
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舞踊批評とエクリチュール、そして病を論じるとしたら、そもそも素材になる批評家が少ないということがあるだろう。そして少なくとも、舞踊批評家とは年配のイメージがどうしても強いため、三島由紀夫やダヌンツィオの世界に出てくるような病が似合うような若くて男性の官能的な書き手は出てこないというのがあるかもしれない。女性は詩人のシルヴィア・プラスのような書き手が出てきて欲しいものだ。
- 作者: シルヴィア・プラス,青柳祐美子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/06/10
- メディア: 単行本
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和風の居酒屋でごちそうになる。旧友との再会と共に新しい道筋が開けてくる。昔の仲間たちと再会できそうだ。