ラ・ダンス・コントラステ

美学者でベネチア市長を勤めたマッシモ・カチャーリ(http://passing.nobody.jp/thought/cacciari.html http://amehare.lolipop.jp/blog/2005/05/post_64.html)は東京を広大なエリア(地域)と定義していたと思う。5年以上に渡った湘南での生活から一転し都心に戻り、つくづく東京にいるように感じる。都内で何が起きていたか解らないような空白としての過去が記憶の中にあるのだ。そしてその空白にまた再び東京という地域の記憶が張り込まれていく。

青山に着き、時間があったため、ABCブックセンターで舞踊書をチェックした後に、Yoko Onoの展覧会を見に行く。



Yoko Ono 「Open」

壁に貼られた地図にスタンプで「I Love You」とか「Open」とかそういうマークを入れていくというInstallation。地図は古い東京府時代の地図だ。Google EarthやMappingといった現在ではごくシンプルなインタラクションを使ったアートにしか感じられない。ほのかにフルクサスの薫りが漂っていた。地図が古い東京の地図ではなく、もっとアクチュアリティのある題材であったら、ジェニー・ホルツァーのような文字とメディアといった効果を生み出せていたかもしれない。

(ギャラリー360°)



早く劇場に入る。先日、ある知人から50年代ぐらいの古いポートレート写真を幾つかいただいた。とある先輩の舞踊批評家に写されている踊り手を鑑定してもらう。アレクサンドラ・ダニロワ(http://www.magaru.com/haru/templatectrl.php?pid=2&thdno=1959)の写真が数枚見つかる。リファール・ダニロワの来日の資料を覚えていた為、1つはダニロワではないかと当たりをつけていたのだが1つは的中した。美術史ではイメージ・ハンターという職がある。コラージュなどで使われているオリジナルの資料を見つけることが得意な人間のことをイメージ・ハンターと呼ぶ。そこまではいかないが勘が当たり少し嬉しかった。

菅谷明子はニューヨークを素材にパフォーミングアーツと都市を論じている。東京という地域で舞台評を書くという行為は江戸時代の劇評ぐらいまでさかのぼる。

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

この都市で上演芸術を論じる意味について考えるこの頃である。


ラ・ダンス・コントラステ「Les Souris(レ・スリ)〜くるみ割り人形〜」

媒体にてレビュー

青山円形劇場

気がついたらパスが新刊を出していた。

ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルスの生涯―信仰の罠

ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルスの生涯―信仰の罠

先日、ある美術批評家の御宅に伺った。60年代の話、安保闘争や当時の現代美術や現代詩の話をする。時代はかなり後になるが、久々に書架でこんな本を見つけた。

ファザーネン通りの縄ばしご―ベルリン連詩

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