大野一雄100歳の日

大野一雄100歳の日

■ 大野一雄氏を迎えてのパーティー
■ 大野一雄アーカイブ構想プレゼンテーション
■ 「細江英公人間写真集 胡蝶の夢 : 舞踏家・大野一雄」贈呈式
■ オープンステージ 大野一雄に触発された作品に舞台を開放

 2006年10月28日で100歳を迎えた。横浜BankARTではお祝いのパーティーが開かれた。スペース中央には赤い壇が置かれ、スパニッシュ・ギターの音が明るく鳴り響いている。会場は様々な関係者とカメラで埋め尽くされ大入りいっぱいだ。映像作家のジョナス・メカスもこの日のために来日した。
青い馬の被り物をした息子、大野慶人が入場すると、足をかがめて天に向かって「祈る」ポーズをする。エルビス・プレスリーの郷愁あふれる歌声と共に大野一雄が登場。一雄は車椅子の上に座っているがいつになくいい表情をしている。女性達が一列に並ぶと祝福の音楽が響きだし宴がはじまる。
写真家の細江英公が客席から登場すると写真集「胡蝶の夢」を贈呈した。細江には大野を撮影した「胡蝶の夢」と土方巽の「鎌鼬」がある。
ケーキがカットされると舞台の上では祝福の踊りが披露される。呆けたように宙を見ながら踊る玉野黄市、いっぽうの乳房をあらわにした小林嵯峨といったベテランたちが熱狂的に踊り狂うその一方で、若手の菊池びよはスピーディーにからだを動かし立体的に空間を彩っていく。来賓からは神奈川の捜真女学校時代の逸話で学校のクリスマスのページェントを指導した大野のエピソードやこれから大野一雄アーカイヴの構想が話された。
大野は大学を卒業した後、体育の教師としてスタートし、女子学生にダンスを教える必要性から江口隆哉と出会うことになる。戦後は土方らと共に戦後という時代を疾駆した。踊り手は年齢と共にイマジネーションのかけらを紡ぎだしていくのかもしれない。一世紀に渡る1人の男の生き様は「ダンスを肯定する」魂の崇高さを示した。



(会場 BankART Studio NYK / ギャラリーA)

映像作家のジョナス・メカスが来ていました。