9月のある午後

日本ジャズダンス芸術舞踊協会 ジャズダンスフェスティヴァル Vol.27

ある媒体にてレビュー

(マチネ メルパルクホール Tokyo)

森嘉子 My Road Vol.9 今日という日の向こう側

 森嘉子のソロは実に味わい深いものだった。舞台脇に上着に帽子姿の森が現れる。帽子を脱いだ女は空中をみつめながら動き出す。鍛えられた肉体と過ぎ去っていく日々。叙情的なセノグラフィーが切り替わっていくと、巨大な都市を背景にたたづむ女が現れる。若き日に体験をした遠いアメリカの姿思わせる。
森はこれまで情熱的に踊るソロが多かったが、この作品ではしっとりと踊る。四肢を広げて、大地を踏みしめ、じっとたたづむその姿はマーサ・グラハムの姿と重なる。森はグラハムに学んだ多くのダンサーと異なり、自らがアメリカで学んだものをを捨て、自身へと回帰しようとしているようにすらみえる。原点としてのイメージ、慈しみと優しさのあるダンスだ。

(9月3日 俳優座劇場)

気がついたら1月お休みしていました。復活させます。先月のデータも補っていきます。